最近のバンコク。生春巻き屋台をよく見かけるようになりました。多くの生春巻き屋台は、クイッティアオ (ก๋วยเตี๋ยว) をカットする前のシート状の大きな麺で巻いているのです。クイッティアオルイスワン (ก๋วยเตี๋ยวลุยสวน) と言います。さまざまな野菜やハーブをもっちりとした柔らかなクイッティアオの皮で巻いてあるので、食べ応えもあります。クイッティアオ巻のサラダなのですよ。
ところで、ルイスワン (ลุยสวน) とは「農園を通り抜ける」ような意味で、さまざまな野菜やハーブに出会えるイメージの喩えなのかもしれませんね。なかなか洒落たネーミングでしょう。
中に詰めるメインの具材は、豚ひき肉、豚肉のスライス、ハム、ソーセージ、ツナ、カニカマ、エビ、キノコ系などたくさんの種類があります。
野菜は、グリーンリーフレタス、オークレタスなどのレタス系をベースにキュウリやニンジン、ホーラパーやパクチーファランなどのハーブ系など ...
作り手次第で、中に入れる具材には違いがあることは容易に想像できますよね。高級食材を入れたり、メインに合わせて入れる具材を変えたり ... なお、具材のコストが高ければ、販売価格も高くなります。もちろん、レストランのメニューには、大きなエビやカニなどを入れた値段の高いクイッティアオルイスワンもあるでしょう。
さて、店側が決めたメインの具材でパック詰めして売っている屋台もありますが、フードフェスなどに出店している大きな屋台では、客側が選ぶスタイルの屋台が多いかも。
屋台ですので、もちろんテイクアウト。つけダレが付きます。屋台によっては、グリーンリーフレタスも付けてもらえます。
作り手により赤色と緑色のつけダレがあります。水に砂糖やシロップを溶かした汁に潰した唐辛子やニンニク、マナーオの搾り汁を加え、ナンプラーなどで味を調整して作るので、甘味と辛味、そして酸味のあるつけダレですね。赤色のつけダレは赤唐辛子の色、緑色のつけダレは青唐辛子の色なのですが、緑色の場合には、緑色のパクチーなどの香味野菜が入っている可能性もあります。
以下の写真は、緑色のつけダレの様子。
以下の写真は、標準的なクイッティアオルイスワンの具材の様子。
クイッティアオルイスワン屋台では、1個 10〜15バーツ程度。5個も食べれば、結構な満腹感が得られます。
いろいろと工夫を凝らしたクイッティアオルイスワン屋台があります。サラダ感覚でどうぞ!!
そうそう、つけダレが合わないなら、自宅にあるサラダドレッシングやマヨネーズで ...
そうそう、シート状のクイッティアオは、ペン・クイッティアオルイスワン (แผ่นก๋วยเตี๋ยวลุยสวน) などで検索すると通販でも買えますよ。自宅でクイッティアオルイスワン作りも楽しそうです。
こぼれ話
ライスペーパーの皮で巻いたベトナム風の生春巻き屋台もあります。ポーピア・ユアン (เปาะเปี๊ยะญวน) と言います。ポーピア (เปาะเปี๊ยะ) は「春巻き」、ユアン (ญวน) は「ベトナム」の意味。なお、中華風の揚げ春巻きは、ポー ピア・トート (เปาะเปี๊ยะทอด) と言います。トート (ทอด) とは「揚げる」の意味。
タイの「春巻き」の源流は、潮州系中華の「薄餅」です。この薄餅の発音 [boh-bian] からポーピアと呼ばれているのです。なお、揚げ春巻きの皮は小麦粉の皮です。