タイ語で人参はキャロット (แครอท) なのです。そう、タイ語が無いのです。私がタイに住み始めた十数年前こと。バンコク郊外のタラートで初めて人参を見た時の驚きは今でも忘れられません。細いし、短いし、曲がっているし ... 酷い見た目の悪い人参だったのです。
今ではオバちゃんの我が家の嫁の話では、子供時代には人参の存在すら知らなかったらしい。それこそが、タイ語に人参が存在しない理由なのでしょう。実際のところ、タイ料理に人参が見当たらないのです。私が思い出せる範囲では、生春巻きの具に入っているスティック状の人参、それとちょっとリッチなタイ料理に添えられた飾り人参くらいなのです。最近では近所のタラートにも立派な人参が売っています。人参は日持ちのする野菜ですので我が家の冷蔵庫には必ずストックがあります。普通のタイ人はどのようにして食べているのだろうか、ちょっとした疑問なのです???
以下の写真は、立派になった人参とタイのキュウリの様子。キュウリは小さいけど非常に美味しいのですよ。
そうそう、最近良く見かけるのがフレッシュジュースの屋台。そして、いろいろなフルーツの中に人参があるのです。観察していると人参のジュースが結構売れているのです??
さてさて ...
今から十数年前こと。タイではデック・ドイ・ジャイディー (เด็กดอยใจดี) なる曲がヒットしたのです。タイトルを日本語に訳すと「山(山岳民族)の子供は優しい」かな?その曲を山岳民族の衣装を着た女の子が歌っていたのです。歌詞の一部を要約すると「私の友達は山岳民族 ... 学校には必ず人参を持ってくる ... 人参はビタミンが豊富な野菜 ... 人参を食べて強くなろう .... 」のような内容を含んでいます。人参のインフルエンサーですね。55555 ... 当時、子供だった若者のほとんどがこの曲を知っているらしいです。実際には、タイにおけるデリケートな山岳民族問題を含む曲でもあったようですが ...
嫁曰く「この歌で人参を知るようになったタイ人もいるかもね」本当かな〜???
ところで、この曲がヒットした時期は、我が家の娘が幼稚園の頃だろか? 野菜嫌いな娘ですが人参は食べるのですよ。特にカレーに入れた人参は「美味しい」と言って良く食べました。笑えますね。
人参は涼しいところを好む野菜のようで、タイの北部でしか収穫できない野菜のようです。タイ北部でも実際は山岳地域が多いはずです。かつては、栽培技術も未発達なので良い人参が作れなかったと思われます。しかし、今ではたいへん立派な人参になりました。嫁もタイ北部の出身なのですが、近くに山岳民族がいる地域でもあります。嫁曰く「昔はこの山にも日本人がいて、山の人に野菜作りを教えていたのよ」。かつては山岳民族に対して日本の援助があったのです。今では山岳地域で収穫された野菜が、たくさん出回っています。ハクサイ、キャベツ、レタスなどなど ... まさにタイの高原野菜ですね。最近は本当に品質が良くなりました。なお、夜中の北部の幹線道路は、都会向けの高原野菜を満載した大型トレーラが数多く見られます。嫁の田舎もそうなんですよ。
こぼれ話
遠い遠い昔、嫁の田舎の山岳民族のタラートに行ったことがあります。そこで、ほうれん草を見つけました。日本のほうれん草と比べたら見られたものではありません。しかし、最近は近所のタラートで美味しそうなほうれん草を見かけます。嫁が「ほうれん草のおひたしを作れ」とのたまうのす。おひたし作りも私の担当 ... トホホー
以下は、デック・ドイ・ジャイディーの動画。子供が手にしている人参に注目。当時の人参の様子が分かります。参考まで。。。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=taw7ofa7jdg