シャキシャキとした食感が楽しいタイの「レンコン」のお話。
レンコンは、タイ語でラークブア (รากบัว) と言います。日本にはレンコンのきんぴらや甘辛煮などたくさんのレンコン料理がありますが、その多くは醤油味ベースのご飯のおかずのイメージが強いと思います。タイでも、おかずの具材として食べますが、それよりも驚くことに単にシロップで煮てデザートとして食べるのですよ。ラークブアトムナムターン (รากบัวต้มน้ำตาล) と言います。トム (ต้ม) は「煮る」、ナムターン (น้ำตาล) は「砂糖」のこと。
レンコンはタラートの八百屋でも売っていますが、中華系の食材の店などでも売っています。シロップ煮にしたレンコンを置いている店さえあります。
煮汁のシロップは、ナームラークブア (น้ำรากบัว) と言い、レンコンジュースになります。ガラスの器に煮汁のシロップと甘く煮たレンコンを浮かべ氷を入れれば美味しいデザートの完成なのです。一般的にラークブアトムナムターンは、茶色に仕上げます。ブラウンシュガーとグラニュー糖を混ぜたシロップで煮るからです。
以下の写真は、レンコンのシロップ煮があるデザート屋台の様子。
この屋台は、レンコンのシロップ煮と銀杏、そして仙草 (センソウ) から作ったゼリーのチャオクワイ (เฉาก๊วย) の3種類。なお、タイでは、デザートに銀杏を入れるもの一般的なのです。
このようなスタイルのデザートをタイ語の呼び方ならローイゲーオ (ลอยแก้ว) かな? ローイゲーオとは、シロップにフルーツなどを浮かべたデザートの総称です。中華系の呼び方ならタオトゥン (เต่าทึง) です。タオトゥンとは中華系の「豆汤」の潮州語の発音らしいが、本家の豆のスープの意味の「豆汤」とは、だいぶ違うスタイルになったようですね。
タオトゥンは、フードコートや街中の屋台で見つけることができます。ナムケンサイの店にもあります。レンコンのシロップ煮やチャオクワイ、銀杏以外にもプッサージーンチュアムなどいろいろなトッピングを龍眼/ロンガンジュースのナームラムヤイに入れて食べるデザートです。言い換えると、甘いココナッツミルクのナムガティ (น้ำกะทิ) を使わないデザートですね。ココナッツミルクを敬遠するタイ人もいるのですよ。
以下の写真は、プラ容器に入れて販売しているタオトゥン屋台の様子です。もちろんシロップを付けて販売します。
レンコンには、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの健康に良い成分が多く含まれていて、疲労回復効果や免疫力の向上が期待できたり、動脈硬化を予防したりと ... なかなかの優れものなのです。蓮(ハス)のほとんどの部位が漢方薬に用いられていますよね。
甘くてシャキシャキ感がたまらないレンコンのシロップ煮。見つけたら、是非ともチャレンジしてみてください。レンコンのイメージが変わるかも ...
こぼれ話
砂糖の煮汁を煮詰めた甘露煮のレンコンは、ラークブア・チュアム (รากบัวเชื่อม) と呼ぶのが一般的。甘露煮なので、レンコンの表面には照りがあります。
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