ホイクレーン (หอยแครง) は、赤貝の仲間のハイガイに分類される貝だと思います。なお、ホイ (หอย) とは「貝の総称」です。このホイクレーン、シーフードレストランや屋台には茹でスタイル、または、炭火焼きスタイルのメニューがあります。一般的には茹でスタイルが多いと思います。茹でたホイクレーンは、ホイクレーン・ルアック (หอยแครงลวก) と言います。ルアック (ลวก) とは「湯がく/茹でる」の意味。実際、湯がく程度の時間しか茹でません。何故って、タイ人には赤い汁まみれの半生状態が好まれるからです。炭火焼きでは、半生状態が難しいですよね。だから、炭火焼きスタイルは、赤い汁がなくなるまで焼くのが一般的。ホイクレーン・ヤーン (หอยแครงย่าง) と言います。ヤーン (ย่าง) とは「焼く」の意味。なお、焼き立てのホイクレーン・ヤーンは熱くて触れないので注意が必要ですよ。
以下の写真は、とあるシーフードレストランのホイクレーン・ルアック。
さて、ホイクレーンが赤いのは、赤貝の仲間なのでヘモグロビンが含まれるからです。私も初めて半生の茹でたホイクレーンを出された時には、その赤さに「これ大丈夫なの?」と思いもしましたが、今ではパクパク、もちもちした食感のホイクレーンを堪能しています。55555 ...
とあるタイ語のサイトによると、20 秒が「Rare」、30 秒が「Medium Rare」、1分だと「Medium Well done」で赤い血が黒くなり、2分だと完全に「Well done」とのこと。30 秒の「Medium Rare」が、美しい赤色、そして弾むようなフォルムで最高とのこと。
ナムチムシーフード (น้ำจิ้มซีฟู้ด) と呼ばれる緑色のつけダレで食べます。シーフードにはこの緑色のつけダレが定番。ナムチム (น้ำจิ้ม) とは「つけダレ」、シーフード (ซีฟู้ด) とは「シーフード」のこと。ナムチムシーフードは、青唐辛子、パクチー、ニンニクのみじん切り、そしてマナーオの絞り汁、ナンプラー、砂糖などで味を調整して作ります。店によりレシピの違いがありますが、酸味のある辛いナムチムです。55555 ...
ナムチムシーフードは、今では幾つかのメーカーから発売されています。スーパーマーケットで買うこともできますよ。
さてさて、
ホイクレーンは市場の魚介類エリアなどで買うことができるのですが、現状、他の貝に比べてホイクレーンの価格が非常に高いので驚きます。以下の写真はとある市場のホイクレーン。庶民の食べ物から遠く離れた価格ですよ。
ホイクレーンの価格が高い原因を書いた記事を見つけたので、その要約を以下に紹介しましょう。
まず、海の環境問題等々が関係しているようで、タイ国内のホイクレーンの数は年々減少しているとのこと。商業的に養殖を行っているが、養殖コストが高くなっているとのこと。さらに養殖は、コストの高いマレーシアやミャンマーから稚貝を買って、自然の海で行っているとのことですが、海の環境の悪化のためなのか、生産性が低下しているとのこと。そのため、現在の価格は7~8年前に比べて3~4倍の価格。
こぼれ話
殻にある放射状の筋(スジ)の数が赤貝は、細かくて 42 本前後。サルボウガイは、粗くて 32 ~ 34 本。ハイガイは、その数が非常に少なく 18 本前後らしい。ホイクレーンの筋(スジ)の数はハイガイに近いですね。ホイクレーンは、海岸線の泥地に生息してるのですが、タイの海だけでも複数の種類が生息しているとのこと。
そうそう、ホイクレーンの殻の筋を利用して作ったとされるお菓子があります。興味のある方は「クローンクレーンガティ」参照のこと。
ちょっと、赤い汁が厳しそうな方は、ムール貝の香草蒸し。普通に美味しいですよ。