スキーナームとスキーヘーン タイの豚肉と野菜と春雨の料理

スキーナームとスキーヘーンのアイキャッチ タイ料理

スキー (สุกี้) とは、春雨と白菜、豚肉のスライスを基本にナムチムスキー (น้ำจิ้มสุกี้) なる甘酸っぱく辛味のあるソースで味付けした料理。イカやエビ、空芯菜、日本のわけぎに近いトンホーム (ต้นหอม) やパクチー (ผักชี) などの香味野菜、溶き卵を加えたりと作り手次第でレシピも様々。もちろん、豚肉の代わりに牛肉や鶏肉を使うのもあり。
スープ仕立てのスキーナーム (สุกี้น้ำ) と炒めて作るスキーヘーン (สุกี้แห้ง) の2種類があります。ナーム (น้ำ) は「水」、ヘーン (แห้ง) は「乾いた」の意味。スキーナームは「豚肉と野菜入りの春雨スープ」、スキーヘーンは「豚肉と野菜入りの春雨炒め」とも言えそうです。なお、イカやエビなどのシーフードを使うとスキーナームタレー (สุกี้น้ำทะเล) やスキーヘーンタレー (สุกี้แห้งทะเล) と呼ぶことがあります。タレー (ทะเล) とは「シーフード」のことで一般的には値段が高くなります。

スキーナームやスキーヘーンは、街中の屋台や専門店で食べることができます。
以下の写真は、標準的なスープ仕立てのスキーナームの様子。上にナムチムスキーが掛けてあります。

標準的なスープ仕立てのスキーナームの様子
標準的なスープ仕立てのスキーナームの様子
スキーナームの中の春雨の様子
スキーナームの中の春雨の様子

以下の写真はナムチムスキーの様子。別な器に入れて提供されることもあります。上から掛け足すも良し、つけダレとして使うも良し。店毎に工夫をこらしているので味は店により違います。ナムチムスキーの味が重要なポイントでしょうね。

別な器に入れて提供されたナムチムスキーの様子
別な器に入れて提供されたナムチムスキーの様子

さてさて ...
とあるスキー専門店を例にスキーナームやスキーヘーンを見てみましょう。
以下の写真は店内に貼ってあるメニュー。『スキーナーム 90バーツ、スキーヘーン 100バーツ、そして、牛肉、豚肉、鶏肉、コリコリのイカの4種類のメイン具材から選択できる』と解釈するのですが、4種類のメイン具材を混ぜ合わせることも可能とのこと。例えば、牛肉、豚肉の2種を選択すると牛肉 50%、豚肉 50%となるのですよ。

とあるスキー専門店のメニューの様子
とあるスキー専門店のメニューの様子
店先に並ぶメイン具材の様子
店先に並ぶメイン具材の様子

コリコリのイカとは、スルメを重曹液で戻したイカのこと。プラームック・グロープ (ปลาหมึกกรอบ) と言います。イエンタフォー (เย็นตาโฟ) に入っているイカと同じ。興味のある方はイエンタフォーを参照願います。

スルメを重曹液で戻したプラームック・グロープの様子
スルメを重曹液で戻したプラームック・グロープの様子

まずは、スキーナーム ...
以下の写真は豚肉のみで注文したスキーナームと中の具の様子。この店は空芯菜ではなくトンホームを使用。私は甘味のあるトンホームの方が好きですね。

豚肉のみで注文したスキーナームの様子
豚肉のみで注文したスキーナームの様子
スキーナーム
スキーナームの中の具の様子

今回はライスも注文。スキーナームをおかずにご飯を食べるのも普通のこと。スープをご飯に掛けて食べるもあり。ガオラオ系のクイッティアオヌアなどと同じスタイルです。

別注文のライスの様子(10バーツ也)
別注文のライスの様子(10バーツ也)

テーブルにはナムチムスキーと小皿が用意されているので、つけダレとして使うもあり。このスタイルもガオラオ系と同じ。

テーブルに用意されているナムチムスキー
テーブルに用意されているナムチムスキーの様子
つけダレ用の小皿の様子
つけダレ用の小皿の様子
ナムチムスキーをつけダレとして使う様子
ナムチムスキーをつけダレとして使う様子

なお、スキーナームの味は薄めで提供されることが多いかもしれませんね。お好みでナムチムスキーを加えて味を調整してください。

スキーナームにナムチムスキーを加えた様子
スキーナームにナムチムスキーを加えた様子

次に、スキーヘーン ...
以下の写真は豚肉のみで注文したスキーヘーンと中の具の様子。しっかり味が付いているので、ナムチムスキーは不要でした。もちろん、ご飯のおかずにするも良し。

豚肉のみで注文したスキーヘーンの様子
豚肉のみで注文したスキーヘーンの様子
スキーヘーンの中の具の様子
スキーヘーンの中の具の様子

値段はちょっと高目ですが、非常に柔らかい豚肉がたくさん入っている美味しいスキーナームとスキーヘーンの店なのです。

こぼれ話
ナムチムスキーがあれば、スキーナームもスキーヘーンも自分でも作れます。今では、いろいろなブランドのナムチムスキーがあり、スーパーマーケットには所狭しと並んでいます。

ところで、コカや MK などのタイスキレストランで提供している「タイスキ」は鍋を使ったしゃぶしゃぶ風のスタイルで、スキヤキ (สุกียากี้) やスキー (สุกี้) と呼ばれています。このスタイルは、コカが考案したと言われています。なお、スキヤキとは「日本のすき焼き」から取った名称であることは、多くのタイ人が知っているし、日本のすき焼きのスタイルも知っていますよ。