カノムパッカー タイの菜頭粿(大根餅の炒め物)

カノムパッカーのアイキャッチ タイ料理

潮州系料理に菜頭粿なる細切りまたは鬼おろしの大根と米粉から作った大根餅がある。菜頭とは潮州語で大根のこと。見た目で例えるなら、パッタイの麺をこの大根餅に代えた炒め物がカノムパッカー (ขนมผักกาด) であり炒菜頭粿でもある。また、菜頭粿の潮州語の発音からチャイタオクアイ(ไช้เถ่าก้วย) とも呼ばれている。
正確に言えば、カノムフアパッカー (ขนมหัวผักกาด) だろう。カノム (ขนม) は「お菓子」、フアパッカー (หัวผักกาด) は「大根」の意味。ちなみに、菜頭の「頭」をタイ語に置き換えるとフア (หัว)、「菜」をタイ語に置き換えるとパッカー (ผักกาด) なのだ。タイ語の修飾は後からだ。カノムフアパッカーの省略形がカノムパッカーなのだろう。なお、大根餅の菜頭粿自体もカノムパッカーと呼ぶ。

チャイナタウンのヤワラーの朝市でカノムパッカーの屋台を見つけたので紹介してみよう。
この屋台には、菜頭粿の大根をタロイモに代えた芋頭粿または芋粿もあり選択可能なのだ。芋頭粿は潮州語の発音からオウタオクアイ (โอ่วเถ่าก้วย)、芋粿ならオウクアイ (โอ่วก้วย) である。さらにパッタイもメニューにある。

以下の写真が事前に準備してある菜頭粿の様子。米粉ベースにタピオカ粉を混ぜた溶き汁に細切りまたは鬼おろしの大根を入れ適度な硬さになるまでフライパンで捏ねながら火入れした後に、バットなどの容器に流し入れて蒸し上げて作るのだ。作り手により好みの味付けをしたり、ピーナッツや干しエビ、椎茸などのトッピングを入れたりもする。なお、そのままでも食べることが可能だ。

事前に準備してある菜頭粿の様子
事前に準備してある菜頭粿の様子

カノムパッカーの作り方は、事前に準備してある菜頭粿をフライパン上で適度なサイズにカットしながら炒め、生卵を割り入れ火が通った頃合でニラともやしを加え、醤油と甘口醤油などで味付けして完成。食べ方もパッタイと同じで、テーブルにある各種調味料で味を調整して食べるのだが、コショウがオススメ。

菜頭粿を炒め始めた様子
菜頭粿を炒め始めた様子
生卵を割り入れた様子
生卵を割り入れた様子
ニラともやしを加えた様子
ニラともやしを加えた様子
完成したカノムパッカーの様子
完成したカノムパッカーの様子

以下の写真は大根の菜頭粿のチャイタオクアイとタロイモの芋頭粿のオウタオクアイの様子。

大根の菜頭粿のチャイタオクアイ
大根の菜頭粿のチャイタオクアイ
タロイモの芋頭粿のオウタオクアイ
タロイモの芋頭粿のオウタオクアイ

私はパッタイが好きだが、どうしてもパッタイは大量の油を使うことになるので重たく感じることがあるが、カノムパッカーは少量の油で済む上にへルーシー感もある。最近はカノムパッカーを知らない若者も増えているようだが、中華系のコミュニティーの中では健在である。機会があるなら是非とも挑戦してみて欲しい料理だ。

以下の写真は、ヤワラーのタラートで売っている菜頭粿や芋粿の様子。参考まで ...

ヤワラーのタラートで売っている菜頭粿や芋粿の様子
ヤワラーのタラートで売っている菜頭粿や芋粿の様子
ヤワラーのタラートで売っている菜頭粿や芋粿の様子
ヤワラーのタラートで売っている菜頭粿や芋粿の様子
ヤワラーのタラートで売っている菜頭粿や芋粿の様子
ヤワラーのタラートで売っている菜頭粿や芋粿の様子

こぼれ話
以下の写真がこの屋台のパッタイの様子。なお、粉唐辛子は私が後から掛けたもの。

この屋台のパッタイの様子
このカノムパッカー屋台のパッタイの様子