カイケム (ไข่เค็ม) とは「アヒルの塩漬けの卵」のこと。カイ (ไข่) は「卵」、ケム (เค็ม) は「塩っぱい」の意味。アヒルの生卵を濃い塩水に漬けて作るのです。一般的にカイケムと言えば、塩水に漬けた卵を「ゆで卵」したスタイルを指します。保存食としての知恵から生まれた調理法ですね。カイケムは塩味が強いので、味の無いお粥のカオトムと一緒に食べる方が多いのですが、通常のご飯のおかずでも OK です。ソムタムなどのヤム料理に使われることもあります。なお、ゆで卵にせず目玉焼きにする調理方法もあります。
ところで、カイケムは綺麗に殻が剥けないので、殻の上からナイフで半分に切るのが一般的なのですよ。以下の写真は、殻の上から半分に切ったカイケムの様子。
その後は、スプーンなどを利用して中身をすくい取ってください。
以下の写真は、鶏卵のゆで卵とカイケムを並べた様子。右がカイケムなのですが、カイケムにすると黄身が赤味を帯びるのですよ。なお、通常のご飯のおかずとして食べている様子でもあります。
カイケムは、スーパーマーケットやコンビニでも売っています。鶏卵のゆで卵と比べて、私は特別に美味しいとは感じませんが、一定数のファンはいるようですね。まだ、食べたことがない方は、一度、挑戦してみてください。まずは、カオトムと一緒にどうぞ!
なお、カイケムはアヒルの卵なので殻の色は白く鶏卵より多少大き目です。以下の写真は、Mサイズの鶏卵のゆで卵と並べてみた様子。
以下は、タイ公共放送 (Thai PBS) のカイケムの作り方の動画。興味のある方は、参考にしてください。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=aFdhZDMai5U
動画の内容をザックリ説明すると ...
‐アヒルの生卵:10個
‐塩:1カップ
‐水:4カップ
水を沸騰し塩を完全に溶かしたら冷めるまで放置。塩水漬け用のガラス容器に綺麗に洗ったアヒルの生卵を入れ、卵が塩水から顔を出さないように水を入れたビニール袋などを使って重し代わりにして蓋を閉じる。日陰で 21日間放置。その後、沸騰したお湯から 10〜15分間 茹でればカイケムの完成。なお、冷蔵庫なら一ヶ月は保存可能。
アヒルの生卵は、スーパーマーケットで売っています。タイ語でカイペットソット (ไข่เป็ดสด) と言います。鶏卵の生卵より高いですよ。
こぼれ話
以下の写真は、カイケムを使ったタイ風サラダ。ヤムカイケム (ยำไข่เค็ม) と言います。ヤム (ยำ) は「和える/サラダ」の意味。あまり辛くないソムタムタイの上にカイケムを乗せたメニューがある店がありますね。ソムタムタイ・カイケム (ส้มตำไทยไข่เค็ม) と言います。また、ソムタムカオポートの上にカイケムを乗せる店もあります。
ところで、鶏卵のゆで卵のタイ風サラダは、ヤムカイトム (ยำไข่ต้ม) と言います。カイトム (ไข่ต้ม) とは「ゆで卵」のこと。実は、ヤムカイケムよりヤムカイトムの方が一般的で人気があると思います。以下の写真は、ぶっかけ飯屋のヤムカイトム の様子。
そうそう、カイケムの黄身を使った代表的な中華系お菓子にカノムピアがあります。なお、カイケムは、中国語で「鹹蛋:シエンタン」のこと。