ランブータンは、タイ語でンゴ (เงาะ) と言います。「ンゴ」は鼻音のゴ (Ngo) かな? 果実は赤く、トゲのようなものが果実全体を覆い尽くしている非常にユニークな見た目のフルーツです。ウニのトゲのようにも見えますが、実際は硬くはありません。
5月の声を聞くと、ピラミッドのように高く積み上げたランブータン売りの屋台が街中に溢れます。このランブータンは価格が安く、庶民にとって非常にポピュラーな果物なのです。
ランブータンの食べ方ですが ...
ランブータンの果皮には、ゴミや汚れが付きやすいので、綺麗に水洗いしてから食べた方が良いと思います。果実の胴回りに爪を立てて一周し、果実を押し潰すようにすると中の果肉が見えるので、カパッと開けば 、またはひねるように開けば、果皮が外れます。そして、顔を出した果肉に噛り付くのです。
果肉の中にはアーモンドのような種があります。この種の渋皮が曲者で、個体によっては渋皮が果肉側に付いてくる場合があるのです。渋皮は問題なく食べることができますが、喉越しがすこぶる悪いのですよ。少しでも渋皮を避けたい方は、果肉の頭の方から、リスのようにカリカリと少しづつ食べるようにしてみてください。
我が家の嫁もランブータンのファンの一人。毎回2キロ分を買うのです。果皮を含んでの2キロなのであっという間に食べてしまいます。以下の写真が屋台で買ったランブータンの様子。2キロで 80バーツ也。
果肉は、弾力感/もっちり感、穏やかな甘味があり、個体によっては穏やかな酸味を感じるかもしれません。果汁が滴り落ちることもなく手に持つことができるので、非常に食べやすいのです。見た目と食感は少し硬めのライチのようですね。甘味と酸味をグーッと抑えたライチとも言えそうです。どちらもムクロジ科の果樹なのです。
ところで ...
タイのランブータンには、幾つかの品種があるのですが、現状、商業的に栽培されている品種は多くないようです。そして、市場に流通しているほとんどのランブータンは、ンゴ・ローンリアン (เงาะโรงเรียน) と言う品種。ローンリアン (โรงเรียน) とは「学校」のこと。「学校のランブータン?」とは何故でしょう? 南部地方のスラータニー県バーンナーサーン郡にあるナーサーン学校 (โรงเรียนนาสาร อ.บ้านนาสาร จ.สุราษฎร์ธานี) にあるランブータンが親木だからなのです。果実は楕円形と長い毛が特徴で、果肉と種が分離しやすく甘味があります。南部地方で多く植えられているランブータンです。
興味のある方は 「เงาะนาสาร:ンゴ・ナーサーン」で検索願います。
現状は、ンゴ・ローンリアンの一人勝ちのようですが、他にもンゴ・シーチョンプー (เงาะสีชมพู) と言う品種があります。シーチョンプー (สีชมพู) とは「果物のチョンプーの色」のことで、赤色が強いピンク色です。熟した果実はンゴ・ローンリアンより丸みがあり、毛の色もシーチョンプーなのです。さらに、ンゴ・シートーン (เงาะสีทอง) なる品種もあるようです。シートーン (สีทอง) とは「金色」のこと。果肉が黄色味を帯びています。
以下の写真は、嫁の知人から頂いた果皮が黄色い品種。嫁の知人も知人からの頂き物とのことで、正確な品種が不明。多分、ンゴ・シートーンナムプン (เงาะสีทองน้ำผึ้ง) なる品種の可能性が高いようです。ナムプン (สีน้ำผึ้ง) とは「蜂蜜」のこと。これが甘くて非常に美味しいのです。
もし、ンゴ・シーチョンプーやンゴ・シートーンなどを見かける機会があれば、是非、挑戦してみてください。
こぼれ話
そうそう、スーパーマーケットには、ランブータンのシロップ漬けの缶詰が置いてあります。種の渋皮も無いし美味しいです。冷蔵庫で冷やしてそのまま食べるも良し、いろいろなデザートに利用するも良し。