タイには地面に穴を掘って生活しているイェー (แย้) なる小型のトカゲがいる。バタフライアガマ (Leiolepis) の仲間で日本のペットショップでも扱っているらしい。このイェーを炭火で丁寧に炙り、包丁で細かく叩いてミンチにした後に、ラープにしたものがラープイェー (ลาบแย้) である。イサーン地方の料理としてよく知られている。もちろん、イサーンスタイルのラープである。
今回、紹介するのは北部地方のラープイェー。我が家の嫁は北部地方の出身なのだが、田舎からのお土産として頂いたのである。故に北部スタイルのラープ。乾燥唐辛子と数種類のスパイスがブレンドされたプリックラープヌア (พริกลาบเหนือ) で作るのだ。イサーンスタイルのラープムーとは違いマナーオやカオクア、さらにナンプラーも使わない。イサーンスタイルと北部スタイルのラープの違いは、以下参照願う。
ところで、クイッティアオのセンミー (เส้นหมี่) の乾燥麺をたっぷりの油で揚げるとサクサクの揚げ麺になるのだが、ラープのような料理と混ぜて食べるスタイルがある。ミーグロープ (หมี่กรอบ) と言う。お土産のラープイェーは少量の揚げ麺を混ぜたスタイルで、料理とは別にたくさんの揚げ麺も用意されていた。好みの量の揚げ麺を「自分で混ぜろ」との配慮であろう。


以下の写真は、お土産のラープイェーと豚ひき肉を使った標準的なラープムークアの様子。揚げ麺を除けば見た目に大きな違いはない。作り手/作り方にもよると思うが、丁寧に細かくミンチにすると見た目だけでは何肉なのかの判断がつかないのがラープなのだ。


さて、ラープイェーの味であるが、特に嫌な匂いや味は感じない。鴨肉のラープや牛肉のラープより淡白かもしれない。美味しいかと問われれば、豚肉のラープの方が美味しいと答えるだろう。
同胞諸君、もし知人や友人にススメられる機会があっても断らず進んで挑戦してみよう!
なお、北部地方のイェーとイサーン地方のイェーには違いがあるようだ。タイには6種類のイェーが生息しているらしい。興味のある方は以下の動画を参照願う。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=pmku5Fj79YM
こぼれ話
ところで、タイにはトカゲより大きなワニがいる。そして、ワニ肉の串焼きや串揚げを見かけることがある。ワニはタイ語でチョロケー (จระเข้) だが、野生のワニは絶滅危惧種のため保護の対象になっているのだ。よって、ワニ牧場の養殖ワニである。なお、部位により肉質に違いがあるので、部位違いを並べている店もある。興味のある方はチョロケーヤーン (จระเข้ย่าง) などで検索願う。


