カノムカイ (ขนมไข่) の材料と作り方から説明してみます。小麦粉(薄力粉/中力粉)、卵、砂糖、ベーキングパウダー、バニラエッセンスで香り付けした生地を作り、焼き型に流し入れてオーブンで焼けば完成。カノム (ขนม) は「お菓子」、カイ (ไข่) は「卵」のこと。だから、カノムカイとは、卵の風味のある「卵のお菓子」の意味になりますね。
とのことで、食感は想像できそうですよね。昔ながらのベビーカステラ、口当たりは冷めたパンケーキが近いでしょう。バターをたっぷり使ったマドレーヌやカップケーキをイメージしたら裏切られますよ 。しかし、タイでは非常に人気のお菓子で、あっちでもこっちでも売っています。カノムカイのサイズにもよりますが、基本的に 20 〜 30バーツの袋詰ですから安いのですよ。
焼き型は、花型が多いように感じますが、貝殻型やカップ型もあります。
最近は作り手もいろいろと工夫を凝らしているので、マドレーヌに近い美味しいカノムカイもありますが、一般的には価格が高目になります。もし、美味しいお菓子を知り尽くしている同胞諸君の口に合わない場合には、牛乳や豆乳と一緒、または生クリークやバター、あんこ、洋酒などなど、その他のモノを利用して美味しいデザートに変身させる手もありですよ。
ところで ...
以下の写真は、カノムカイに似ていますが、カノムファランクディジーン (ขนมฝรั่งกุฎีจีน) と言います。我が家の嫁も知らなかったお菓子。
クディジーン (กุฎีจีน:Kudi Chin) とは、トンブリーのワットカンラヤ地区にある「ポルトガル系タイ人のコミュニティー」を指すようです。ファラン (ฝรั่ง) は「欧米人」の意味。だから、カノムファランクディジーンとは「クディジーンの西洋菓子」となるのかな?
アユタヤ時代のポルトガル系菓子の影響を受けているお菓子のようです。生地の材料は、小麦粉、アヒルの卵、砂糖。卵をしっかり泡立ててから小麦粉を混ぜて焼くのですね。ポルトガルから伝わっとされる日本のカステラと同じルーツのようですね。あまり見かける機会がないお菓子です。カノムカイとの違いの見分け方は、干しブドウ。干しブドウ以外にも干し柿などか入っていたり、グラニュー糖がまぶしてあったり。ところで、カノムファランクディジーンは、タイの無形文化遺産に登録されているお菓子です。
カノムファランクディジーンを作っている様子の YouTube 動画を紹介します。動画の中の炭火のオーブンは、非常に興味深いですよ。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=n64_jN585Bo