カノムチャン (ขนมชั้น) は、タイの代表的なお菓子の一つ。カノム (ขนม) とは「お菓子」、チャン (ชั้น) とは「階や層」の意味。伝統的な作りは、緑色と白色の層が交互に重なって９層重ねになっているスタイルですね。カノムチャンとは、その作り方からのネーミングなのでしょう。ところが、最近のカノムチャンの様子が違ってきているのです。
タイでは９は縁起の良い数字。幸運が訪れるように９層からなる縞模様を作ることが基本なのですが、最近のカノムチャンは層の重なりが少ないのですよ。気にしながら屋台で売っているカノムチャンをチェックしているのですが、９層のカノムチャンを見つけるのは至難の業。
以下の写真は６層のカノムチャンを尻合わせにしています。
以下の写真は、街中の屋台でよく見かけるパック詰めのカノムチャン。一般的にパック詰めのカノムチャンは５層以下が殆どです。９層まで重ねると高さが出るので既成品のパックに入らないからかな？と勝手に想像しています。
以下の写真は、袋詰めにも関わらず５層のカノムチャン。
以下の写真は、バラの花の形のカノムチャン。いろいろな形のシリコン型が普及し、形もサイズもいろいろ。色違いもたくさんあるのです。最近、このスタイルが増えています。
このバラの花のカノムチャンは、ナント ... ３層しかありません。
以下の写真もカノムチャンなのですよ。見た目からゼリー菓子のウンガティ(วุ้นกะทิ) かなと思い、店のスタッフに「これは何？」と尋ねたところ「カノムチャン」の返事。手が込んでますねえ〜 驚きましたよ。55555 ...
さてさて、カノムチャンの作り方は ...
生地は、タピオカ粉を基本に米粉などを加えた澱粉と砂糖をココナッツミルクと水で混ぜ合わせて作ります。なお、着色した生地と着色無しの２種類の生地を用意します。一般的にはバットを用いて、着色した生地で１層目を薄く流し入れて蒸し上げます。その上に２層目になる着色無しの生地を薄く流し入れて蒸し上げます。その上に３層目になる着色した生地を薄く流し入れて蒸し上げます。この作業を繰り返しで９層にするのです。９層まで重ねると幸運が訪れると言われているからですね。その後、小さく切り分けて完成。
以下の写真のように階層の分かれ目で剥がれるのです。１層ずつ蒸し上げて作っているからですね。
緑色の生地は、パンダンの葉 (バイトゥーイ：ใบเตย) の搾り汁で色付けしているので、カノムチャン・バイトゥーイ。青色の生地は、チョウマメ (アンチャン：อัญชัน) の花の搾り汁で色付けしているので、カノムチャン・アンチャン。なお、変わった色の生地には着色料を使っている可能性もあるでしょう。
私がタイに住み始めた約20年前の当時は、カノムチャンと言えば必ず９層だったと記憶しています。最近ではシリコン型の普及でいろいろなお菓子にシリコン型を使っている上に、色の使い方を始め各種の工夫を凝らしているので、見た目からでは何のお菓子なのかさえ分からなくなっています。時代の流れですね。
カノムチャンは、タピオカ粉が多く使われているので、モチモチ、ねっとりとした食感のある菓子です。ファンも多いですよ。街中のお菓子屋台でも簡単に見つかるので、是非お試しあれ！！
こぼれ話
このようなスタイルのお菓子は美味しい場合が多いですね。写真の中の緑色のモノが全てカノムチャンです。高さがあるので伝統的な９層スタイルです。
