非常にシンプルでヘルシーな厚揚げのおやつ、タオフートート (เต้าหู้ทอด) と言います。タオフー (เต้าหู้) とは「豆腐」、トート (ทอด) とは「油で揚げる」の意味。タイの硬く弾力のある豆腐のタオフーケン (เต้าหู้แข็ง) を油で揚げ、食べやすい大きさにカットして甘めのつけダレを付けて食べるのです。ケン (แข็ง) とは「硬い」の意味。タイでは、おやつとして人気があり街中でもタオフートートの屋台をよく見かけます。
以下の写真が一般的な一枚揚げのタオフートートの様子。なお、三角に半分に切ってから揚げるタイプ、拍子木切りにしてから揚げるタイプ、角切りにしてから揚げるタイプなどあります。
小さくカットする目的は、一枚揚げが大きいためだけではないのです。揚げ時間や油の温度と相まって、外側のカリカリ感や中のしっとり感に違いがでるのです。例えば角切りタイプは、サイズが小さいので外側のカリカリ感を強調し、中はスポンジのようにスカスカに仕上げます。例えば、カイパローなとの料理に使うのがこのタイプで煮汁やソースの絡みが良いのですね。なお、普通より長い拍子木切りのタオフートートを見かけることがあるのですが、まな板のような形で固めた豆腐を長い拍子木状にカットしているからですね。
私が好きなタイプは一枚揚げのタオフートート。軽く揚げているだけなので豆腐本来のしっとり感と風味が味わえます。注文すると食べやすい大きさにカットしプラ容器やビニール袋に詰めて、甘いつけダレをかけてもらえます。
以下の写真がつけダレの様子。たっぷりの砕いたピーナッツと少々の唐辛子の粉、多少の酸味がある一般的な甘いつけダレ。美味しいつけダレです。
つけダレは、作り手により違いがあります。ブラウンシュガーを水で溶いて煮詰めた多少とろみがある甘めのつけダレがベースですが、タマリンドの酸味のあるジュース ナム・マカーム・ピアック (น้ำมะขามเปียก) を加えたり、クロックで潰した唐辛子や唐辛子の粉、砕いたピーナッツを加えたり ... パクチーのトッピングが入ることも ... なお、店により唐辛子を入れる/入れないの選択が可能な場合もありますね。何しろ、子供は辛い唐辛子が食べれないので ...
最近のバンコクなら、一枚揚げのタオフートートで 40バーツ程度が相場だろうか? 厚揚げすらおやつにしてしまうタイの食文化には驚きですね。55555 ...
シンプルに美味しいですよ。小腹が空いたら、またはダイエット中の方には、タオフートート!
そうそう、以下の写真もタオフートート屋台の様子ですが、揚げ春巻きやタロイモ揚げのプアックトート (เผือกทอด)、大根揚げのフアチャイターオトート (หัวไชเท้าทอด) を売っていることも ... タロイモや大根を千切りにし、米粉や小麦粉などを水で溶いた生地をつなぎにして湯葉でロール状に巻いて一度蒸したものを、さらに油で揚げた料理。作り手によって、干しエビや茹でたピーナッツなどのトッピングを入れたり、つなぎの生地に薄い下味を付けたりと ... いろいろと工夫を凝らしているのです。湯葉を使わずに直接かき揚げスタイルにする店もあります。
タイの豆腐の話
以下の写真は、タラート(ローカルマーケット)で売っているタオフーケンの様子。水分をしっかり抜いているので硬く弾力があります。パッタイに入っている黄色い豆腐は、このタオフーケンを黄色く色付けしてあるのです。我が家の近所のタラートでは1個 15バーツ。なお、スーパーマーケットでも一つずつ袋詰めしてあるスタイルで売っています。
このタオフーケンの豆腐ステーキも面白いですよ。なお、ぶっかけ飯屋の定番料理にタオフーケンを入れたもやし炒め、パットトゥアゴークタオフーがあります。
写真のタオフーケンはどうしてこのような形になるのだろう?興味のある方は以下のタオフーケンの作り方の動画を見てください。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=VklRp8by6MI
そうそう、最近のスーパーマーケットには、日本と同じスタイルのパック入りの絹ごしや木綿豆腐が所狭しと並んでいます。タオフーイープン (เต้าหู้ญี่ปุ่น) と言います。イープン (ญี่ปุ่น) とは「日本」のこと。昔はチューブ入りしかなかったのですよ。
タイには、もう一つの豆腐があります。デザートに使われるタオフワイ (เต้าฮวย) です。すまし粉を使った肌がきめ細やかで、とても柔らかい「豆花/ 豆乳花」のこと。