トンテーンファラン (โทงเทงฝรั่ง)、または英名のままでケープグーズベリー (Cape Gooseberry:เคพกูสเบอรี่) と呼ばれている見た目が黄色いミニトマトのような果物があります。以前は、たまに見かける程度でしたが、最近はよく見かけるようになりました。日本では「フルーツほおずき」と呼ばれているようです。なお、トンテーン (โทงเทง) は「ほおずき」、ファラン (ฝรั่ง) は「西洋」の意味なので、トンテーンファランは「西洋のほおずき」の意味。そう、タイにも在来種のほおずきがあるのです。在来種の果実はかなり小さく渋みと苦みがあり食べるに値しないとのこと。茎も葉の形もトンテーンファランとは異なり雑草の扱いらしい。
以下の写真は、トンテーンファランを縦半分にカットした様子ですがトマトのようですね。トマトもトンテーンファランもどちらもナス科の植物なのです。
日本と同じように、タイでも新しい果物の一つ。タイには、山岳民族を助けるための農業支援を目的とした王室のロイヤルプロジェクト (Royal Project Foundation:โครงการหลวง) があるのですが、このトンテーンファランは、ケープグーズベリーの名称で登録されているのです。生産量が増え、市場に流通する量も増えたので街中でも見かけることが多くなったのでしょう。
以下、ロイヤルプロジェクトの Web サイト内の URL です。
ケープグーズベリー:https://royalproject.org/products/pdtail/40/814
以下の写真は、最近見かけた氷水で冷やしたトンテーンファランを売っている屋台の様子。果物の定番のナムチム (น้ำจิ้ม) であるプリックグルア (พริกเกลือ) を用意しています。そのまま食べてもよいのですが、何かしらのナムチムを付けて食べるのがタイスタイルでしょう。ナムチムとは「つけダレ/ディップ」のこと。
独特の風味と甘酸っぱい味がします。酸味が先に来ますが、ビタミンCが豊富だからでしょう。さらに、ビタミンA、ビタミンB1、B2なども含まれているので美容や健康に役立つ効果が期待できるとのこと。ところで、酸味ある果物が好きなタイ人は多いのですよ。特に女性は、大人になると酸っぱい顔になりながらも「美味しい!」と言ってよく食べています。甘い果物だけが好まれるわけではないのです。例えばマンゴーですが、最近は甘いマンゴーが増えていますが、酸っぱいマンゴーが大好きと言う方も多いのです。
トンテーンファランは、本来なら野菜なのですが苺と同じように果物扱い。果物屋台やスーパーマーケットのフルーツコーナーに並んでいます。
以下の写真は、街中の果物屋台に並ぶトンテーンファランですが、量り売りとパック詰めがあります。ケープグーズベリー (เคพกูสเบอรี่) と書いてあることも。
以下の写真は、スーパーマーケットのフルーツコーナーに並ぶトンテーンファランの様子。パック詰め売りが基本。英語でケープグーズベリー (Cape Gooseberry) と書いてあります。
今後は流通量もさらに増え、多くのタイ料理、特にサラダ系料理に使われることが多くなるだろうと想像できます。トンテーンファラン/ケープグーズベリーを見かけたら、是非挑戦してみてください。