マラジーンとマラキーノック タイの苦瓜/ゴーヤの種類 

ゴーヤのアイキャッチ タイの食材

苦瓜/ゴーヤは、タイ語でマラ (มะระ) と言います。タラートの八百屋やスーパーマーケットで簡単に見つけることができる苦瓜は、マラジーン (มะระจีน) とマラキーノック (มะระขี้นก) なる品種。なお、マラカーオ (มะระขาว) とマラヨック (มะระหยก) なる新しい栽培品種もあります。

タイにも「良薬は口に苦し」のようなコム・ペン・ヤー (ขมเป็นยา) なる言葉があります。「苦いは薬」の意味。「苦いから体に良い」とのことで、意識して苦瓜を食べている方が多いかもしれませんね。

マラジーン (มะระจีน)

マラジーンのジーン (จีน) とは「中国」のこと。中国人がタイに持ち込んだと言われているのでマラジーン。日本の苦瓜のようなイボイボがなく、ツルッとしています。円筒形、色は薄緑、苦味は弱いです。直径 5 ~ 6 センチ、長さ 15 ~ 30 センチ程度。大きさ違いをグループ分けして売っている八百屋もあります。小さいマラジーンは、当然価格は安いですね。目方売りか一本売りかは売り手次第。

タラートのマラジーン(大きさ違いをグループ分け)
タラートのマラジーン(大きさ違いをグループ分け)
タラートのマラジーン
タラートのマラジーン
スーパーマーケットのマラジーン(キロあたり70バーツ)
スーパーマーケットのマラジーン(キロあたり70バーツ)

マラキーノックより苦味が少ない上にサイズが大きので下処理が簡単なのか、料理に使われることが多いのがこのマラジーン。おかず屋台やぶっかけ飯屋にもある代表的なマラジーン料理が、肉詰めスープのトムジューマラヤッサイムーサップ (ต้มจืดมะระยัดไส้หมูสับ) とマラジーンと卵を炒めたマラパットカイ (มะระผัดไข่) です。もし、マラパットカイを自分で作るなら、エビを入れたり豚肉を入れたりしてグレードアップ、タイの硬く弾力のある豆腐のタオフーケン (เต้าหู้แข็ง) を使ったゴーヤチャンプルーも面白いでしょう。

肉詰めスープのトムジューマラヤッサイムーサップ
肉詰めスープのトムジューマラヤッサイムーサップ
マラジーンと卵を炒めたマラパットカイ
マラジーンと卵を炒めたマラパットカイ
マラパットカイのマラジーンの様子
マラパットカイのマラジーンの様子

そうそう、人気のある生エビのナンプラー漬け、クンチェーナンプラー (กุ้งแช่น้ำปลา) の付け合わせもこのマラジーン。

マラキーノック (มะระขี้นก)

マラキーノックのキーノック (ขี้นก) とは「鳥の糞」のこと。鳥の糞を介して増えるかららしい。自生の品種で先が尖っていてイボイボが目立ち、色は濃い緑色、苦味は強いです。日本の苦瓜に似ていますが、長さにして数センチ程度と小さいですね。

以下の写真は、タラートの八百屋のマラキーノックの様子。小さいのでカゴに入っていることが多いでしょう。1個〇〇バーツや〇個で〇〇バーツの売り方ですね。

タラートのマラキーノック
タラートのマラキーノック
タラートのカゴに入っているマラキーノック
タラートのカゴに入っているマラキーノック

以下の写真は、スーパーマーケットのパック詰めのマラキーノックの様子。

スーパーマーケットのパック詰めのマラキーノックの様子
スーパーマーケットのパック詰めのマラキーノックの様子

マラキーノックですが、苦味が好きな方なら炒め料理に使ったり、カレー系の煮物に使ったりするのでしょうが、塩茹でして他の野菜と一緒にサラダで食べることが一般的。タイには、数種類のナムプリック (น้ำพริก) と多くの種類の茹で野菜や生野菜を売っている店があります。タイスタイルのサラダのお店です。自分の好きなナムプリックと野菜を選ぶシステムです。ナムプリックとは「唐辛子ベースのつけダレ/ディップ」のこと。そうそう、茹で野菜を用意しているおかず屋台もありますよ。その中の野菜に茹でたマラキーノックがあります。なお、人気があるナムプリックはナムプリックガピ (น้ำพริกกะปิ) ですね。

マラ
茹で野菜や生野菜を売っている店のマラキーノック

以下の写真は、おかず屋台で用意してある茹で野菜の中のマラキーノックの様子。

おかず屋台のマラキーノック
おかず屋台のマラキーノック

以下の写真が、茹で野菜や生野菜とナムプリックガピの盛り合わせの様子。タイスタイルのサラダです。マラキーノックもナムプリックガピを付けて食べるのですよ。

マラ
塩茹でしてたマラキーノックとナムプリックガピ

以下の写真は、タラートの八百屋の様子。タイスタイルのサラダを意識して野菜を並べているのです。

タイスタイルのサラダを意識して野菜を並べている様子
タイスタイルのサラダを意識して野菜を並べている様子

マラヨック (มะระหยก) とマラカーオ (มะระขาว)

以下の写真は、タラートの八百屋で偶然見かけたマラヨック。普段、見かけることはありません。マラヨックのヨック (หยก) とは「翡翠」の意味。姿形は日本の苦瓜に似ています。苦味は弱いようです。

タラートの八百屋で偶然見かけたマラヨック
タラートの八百屋で偶然見かけたマラヨック

以下の写真は、スーパーマーケットの Golden Place で見つけたマラカーオ。マラカーオのカーオ (ขาว) は「白色」の意味。マラジーンを白くした見た目。苦味は弱いようです。

Golden Place で見つけたマラカーオ
Golden Place で見つけたマラカーオ

タイには、山岳民族を助けるための農業支援を目的とした王室のロイヤルプロジェクト (Royal Project Foundation:โครงการหลวง) があるのです。マラヨック、マラカーオの両方ともロイヤルプロジェクトに指定されている苦瓜です。近い将来、栽培農家が増え流通量も多くなるだろと想像しています。
以下、ロイヤルプロジェクトのWebサイト内の URL です。参考まで ...
マラヨック:https://royalproject.org/products/pdtail/39/871
マラカーオ:https://royalproject.org/products/pdtail/39/870

こぼれ話
以下の写真は、我が家の塩茹でマラキーノックの様子。スプーンなどを利用してワタをしっかり取った後の内側に塩を薄く塗り込んで5分程度放置。その後、塗り込ん塩とワタのカスを水洗いしてから塩茹での流れ。

スプーンなどを利用してワタ取り
スプーンなどを利用してワタ取り
塩茹でしたマラキーノックの様子
塩茹でしたマラキーノックの様子

なお、タイにはマラワーン (มะระหวาน) と呼ばれている野菜があります。ワーン (หวาน) とは「甘い」の意味。多分、ファクメーオ (ฟักแม้ว) と呼ぶことが多いと思います。ハヤトウリ(隼人瓜)のことで、タイでは蔓や葉を炒めた料理、ヨートファクメーオファイデーン (ยอดฟักแม้วไฟแดง) が人気です。レストランには、空芯菜炒めのパックブンファイデーンと並んでメニューに載っていることが多いでしょう。