古くからタイにある伝統菓子のカノムクルアイ (ขนมกล้วย) を紹介します。カノム (ขนม) とは「お菓子」、クルアイ (กล้วย) とは「バナナ」のこと。その名が示す通りのバナナの香り漂うお菓子です。食感と風味から「バナナ入りのういろう」と表現するのがピッタリ。
以下の写真が、パック詰めされたカノムクルアイ。実は似たような形のタイ菓子は他にもありますが、何故、このような形になるのだろう？
それは、カノムクルアイの作り方に関係があるのです。
作り方は、至って簡単。熟したバナナをしっかり潰し、米粉、タピオカ粉、タオヤイモム粉などと砂糖をココナッツミルクで練った生地を器に流し入れ、蒸し上げて完成。生地を流し入れる器で形が決まるのです。なお、細く削ったココナッツの果肉をトッピングに使う場合もあります。
上の写真の醤油皿のような小皿をトゥアイタラーイ (ถ้วยตะไล) と言います。バナナの葉で作ったクラトン (กระทง) スタイルや大きなバットに流し入れ、蒸し上がった後に小さくカットするスタイルもあります。どのスタイルを選ぶかは作り手次第ですが、トゥアイタラーイを選択する作り手が多いようです。最近はシリコン製の型が溢れているので、いろいろな形のカノムクルアイもあるかもしれませんね。
ところで、以下の写真は、バナナの葉に包まれているカノムクルアイの様子。カノムサイサイと一緒に売られていることが多いスタイルです。見た目はカノムサイサイと同じ。
以下の写真もバナナの葉に包まれているカノムクルアイの様子。薄いスタイルですね。
バナナと米粉とココナッツミルクが材料ですので、考えただけでもレトロなお菓子でしょう。もちもち系のバナナの風味が楽しいお菓子です。見つけたらタイ菓子のレトロを感じてください。
こぼれ話
バナナの替わりにカボチャを練り込んだタイプもあります。カノムファクトーン (ขนมฟักทอง)、器にトゥアイタラーイを使っているのなら、カノムトゥアイファクトーン (ขนมถ้วยฟักทอง) と言います。ファクトーン (ฟักทอง) とは「カボチャ」のこと。そうそう、紫芋を練り込んだタイプもあります。
なお、トゥアイタラーイを使った代表的なお菓子がカノムトゥアイ (ขนมถ้วย) です。
