カノムカイホン 白鳥の卵と言う名のお菓子

カノムカイホンのアイキャッチ タイのお菓子

カノムカイホン (ขนมไข่หงส์) なるお菓子。カノム (ขนม) は「お菓子」、カイ (ไข่) は「卵 」、ホン (หงส์) は「白鳥」の意味。だから「白鳥の卵」と言う名前のお菓子になりますよね。皮を剥いた緑豆 (トゥアキアオ:ถั่วเขียว) の粉から作った餡が入っています。カットすると分かりますが、米粉ともち米粉で作った皮に緑豆の黄色い餡を入れて卵状に丸め、油で揚げてアイシング。確かに卵の出来上がりですね。

カノムカイホンをカットした様子
カノムカイホンをカットした様子

カノムカイホンのレシピは作り手によって違いがあります。時々辛味が強すぎるのモノがあるのです。この辛味はコショウなのですが、辛いモノはあまり好きではありません。だって、お菓子は甘いものでしょ!なお、カノムカイホンにはゴマのタイプもありますが、やっぱりアイシングでしょう。卵の殻がイメージできないですよね。

ゴマのタイプのカノムカイホン
ゴマのタイプのカノムカイホン

以下の写真は、時々見かける天秤棒売りのカノムカイホン。アイシングタイプとゴマタイプの両方を売っています。私は甘いアイシング派。

天秤棒売りのカノムカイホンの様子
天秤棒売りのカノムカイホンの様子
カノムカイホン
アイシングのカノムカイホン

なお、黒もち米粉を使ったり、他の材料を練り込んだりして生地の色を変えたカノムカイホンもありますよ。

生地の色を変えたカノムカイホン
生地の色を変えたカノムカイホン

私はこのモチモチの食感のあるカノムカイホンが好きですが、同じような食感のお菓子ならカノムカイノッククラター (ขนมไข่นกกระทา) の方が好きですね。このお菓子は「うずらの卵」の意味です。
カノムカイホン、まだ食べたことが無い方、お試しあれ!!

ところで ...
白鳥って、寒い地域の鳥のイメージしかないけど、タイに白鳥っているの? 当然、タイの鳥ではないですよね。白鳥を意味するホン (หงส์) は、サンスクリット語のようです。そうであるなら、何故にタイにいない鳥の「卵」なんだろう? そこには面白い歴史があるようです。
多分、ザックリこんな話。国王ラーマ1世がヒヤ (เหี้ย) と呼ばれている「オオトカゲ」の卵が食べたいと ... しかし、直ぐには手に入らない。そこで、側室がオオトカゲの卵のようなお菓子を作って国王に食べてもらったとのこと。だから、このお菓子の名前はカノムカイヒヤ (ขนมไข่เหี้ย)、カイヒヤ (ไข่เหี้ย) は「ヒヤの卵」の意味。その後、ヒヤは人を罵倒する言葉でもあるので「白鳥の卵」に変わったようです。しかし、何故に白鳥なのかは不明のまま。トホホ ...
この「ヒヤ」なるオオトカゲ、ルンピニー公園の池にもたくさんいますよね。彼らは平然と闊歩(かっぽ)しているのです。タイに来て初めて遭遇した時、ま〜 驚きましたね。デカイデカイ!
ヒヤのwikipedia:https://th.wikipedia.org/wiki/เหี้ย

こぼれ話
先日のこと、嫁曰く「大きなカノムカイホンを買ってきた」。中華系のお寺にある屋台で買ったとのこと。

大きなカノムカイホンのようなうお菓子
大きなカノムカイホンのようなうお菓子

確かにデカイ!白鳥の卵ではないですね。何の卵だろう? 中華菓子の煎堆(チントイ)でした。タイ語でもチントイ (เจียนตุย) と呼ぶようです。

中華菓子の煎堆(チントイ)
中華菓子の煎堆(チントイ)

このチントイの中は、ほぼ空洞で砕いたピーナッツとタマネギのみじん切りを甘塩っぱく炒めた具が入っていました。今度、機会があったらヤワラーで本格的な煎堆を探してみよう ...

チントイの中の具の様子
チントイの中の具の様子