ノイナー (น้อยหน่า) とは「バンレイシ」のこと。その果実の見た目から釈迦頭とも呼ばれています。英名は、シュガーアップル (Sugar apple) です。7〜9月ごろの期間限定で街中のフルーツ屋台などで見つけることができます。テニスボール程度の小さなサイズから手のひらにやっと収まるような大きなサイズまであります。タイのノイナーも他の果物と同様に品種改良が行われていて、いろいろな品種が栽培されています。見た目の綺麗なもの/サイズの大きなものは、価格が高いのが一般的でしょう。
以下の写真は、街中でよく見かけるノイナーの様子。テニスボールをひとまわり程度大きくしたサイズのノイナーが多いですね。どちらかと言えばボールのように丸い形で、ノイナー・ヌア (น้อยหน่าเนื้อ) と呼ばれている品種のグループだと思います。なお、ノイナー・ヌアは、ノイナー・ファーイ (น้อยหน่าฝ้าย) とも呼ぶようです。
以下の写真のフルーツ屋台もノイナー・ヌアを扱っています。 看板には น้อยหน่าเนื้อ ノイナー・ヌア と書いてあります。
以下の写真は、フルーツ屋台にあった大きなサイズのノイナー・ヌア。緑色系の果実でイチゴのような形をしています。ノイナーの産地として有名なパークチョン産とのこと。触ってみるとまだ硬く、店主によると2〜3日の追熟が必要とのことですが、追熟ありきで買うことに。ノイナーは、追熟が必要な状態で売っている場合が多いのです。3個で1kg 超えの重さで 130バーツ。1個の果実の重さは 350〜360g かな? 多分、品種改良された品種 (ファーイキアオガセ・ソーン:ฝ้ายเขียวเกษตร 2?) だと思います。
ノイナーの追熟は、冷蔵庫には入れてはダメですよ。果実が硬いうちに濡れたキッチンペーパーなどで汚れを落としておくと良いと思います。指で優しくさわり、柔らかさを感じたら食べることができます。追熟しすぎると果肉がグチャグチャになり果汁が溢れ出ることがあるので、ご注意あれ!
以下の写真は、追熟後のノイナー・ヌアを手で割った状態。釈迦の頭のボコボコの単位で果肉がバラバラになってますよね。これがノイナー・ヌアの特徴なのです。
私のノイナー・ヌアの食べ方を紹介します。
なるべく半分になるように手で割って、スプーンですくい取って食べます。皮を剥いて食べる方もいるようですが ...
以下の写真が完食後の状態。果肉の芯と種は食べれません。
一口目に驚くような甘さを感じると思います。そして、皮の近くで砂糖を噛み潰した食感が体験できます。その甘さに慣れてくると、個体によっては多少の酸味を感じるものがあるかもしれません。癖がなくジューシーで、例えるなら ... 冷たくないバニラアイスを口に入れたような感じだろうか??
非常に美味しいノイナー・ヌアでした。
ところで ...
ノイナー・ナン (น้อยหน่าหนัง) と呼ばれる品種のグループがあります。ナン (หนัง) とは「皮」の意味。ノイナー・ナンは、果肉全体が一つの果肉としてくっついているので果肉がバラバラになりません。そのため、果実が熟すと、果皮が簡単にツルッと剥ける特徴があります。だから、ノイナー・ナンと呼ばれているのです。ノイナー・ナンは、ベトナムが原産の品種で、ノイナー・ユアン (น้อยหน่าญวน) とも呼ばれているようです。ユアン (ญวน) とは「ベトナム」のこと。一方のノイナー・ヌアの ヌア (เนื้อ) とは「肉」の意味。今年は、ノイナー・ナンを気にして観察していたのですが、私の行動範囲の中では未だに確認できていません。たぶん、人気がないのでしょう。
さてさて ...
ノイナー・ペットパークチョン (น้อยหน่าเพชรปากช่อง) なる巨大なノイナーがあります。ノイナー・ナン系とチェリモヤとのハイブリッド。日本では台湾の「アテモヤ」が話題になっているようですが、ペットパークチョンは、タイで生まれた「アテモヤ」です。台湾の「アテモヤ」とは違うかも? まだまだ、認知度が低い上に価格が高いので、街中のフルーツ屋台では見かけないノイナーです。スーパーマーケットやデパート、高級フルーツ店では扱っていると思いますよ。
以下の写真は、スーパーマーケットのノイナー・ペットパークチョンの様子。
以下の写真は、ノイナー・ペットパークチョンを計量した時の様子。小さな果実でも 500g以上はあるのではと思います。
以下、追熟したノイナー・ペットパークチョンをナイフで半分にカットした様子。
ノイナー・ナン系なので果肉全体がくっついているため、ノイナー・ヌア系のようには簡単に手で割れないのですよ。
ノイナー・ペットパークチョンもスプーンですくい取って食べることができますが、肉質がもちもちなので個体によっては皮を剥いて食べた方が良い場合もありそうです。
ノイナー・ペットパークチョンは、ノイナー・ナン系なので、果皮が簡単にツルッと剥けるのです。
以下の写真は、4分の1にカット後に皮を剥いた様子。
以下の写真は、スイカのように皮を引いて一口大にカットした様子。種を外せば食べやすいですね。
ノイナー・ペットパークチョンは、ノイナー・ヌアとは果肉の身質が違います。ノイナー・ナン系は、ノイナー・ヌア系と比べて、もっちりとした食感があります。このもっちりとした食感はマンゴーに似ているかな?
ノイナーは、とても甘く、癖がなく美味しい果物です。ノイナー・ヌア系とノイナー・ナン系を比べた場合、私はノイナー・ヌア系の方が好きですね。好みが分かれるとは思いますが ...
同胞諸君、サイズの大きなノイナー・ナンを見つけたら、是非、挑戦してみてください。
こぼれ話
スーパーマーケットの特売コーナーで追熟し過ぎで黒くなったノイナー・ペットパークチョンを発見。50バーツで、通常品の3分の1の価格。試しに買ってみたのですが、普通に美味しいノイナーでした。
紫色のノイナー・ヌア。人工的なものではなく自然界の突然変異によって起こるらしい。果皮だけが濃い紫色で果肉の味は変わりありません。