おかず屋台の定番のスープと言えば、ゴーヤの肉詰めスープ。辛くないスープの代表格ですね。このスープのファンは、たくさんいますよ。私も大ファンの一人。タイ語でトムジューマラヤッサイムーサップ (ต้มจืดมะระยัดไส้หมูสับ) またはゲーンジューマラヤッサイムーサップ (แกงจืดมะระยัดไส้หมูสับ) と言います。トムジュー (ต้มจืด) もゲーンジュー (แกงจืด) も「スープ」を指します。マラ (มะระ) は「ゴーヤ/苦瓜」、ヤッサイ (ยัดไส้) は「詰める」、ムーサップ (หมูสับ) は「豚のひき肉」のこと。なお、マラヤッサイムーサップ (มะระยัดไส้หมูสับ) でも通じます。
以下の写真は、とあるおかず専門店のトムジューマラヤッサイムーサップの鍋の様子。我が家ではよく利用する店です。普通のおかず屋台のマラヤッサイムーサップよりサイズが大きいのです。その分値段も高いのですが ... この日も1個テイクアウト。マラヤッサイムーサップ1個とスープをビニール袋に入れてもらえます。1個 60バーツ也。
以下の写真が、テイクアウトしたマラヤッサイムーサップの様子。日本で見るゴーヤの肉詰めと見た目はそれほど変わりませんね。
タイのゴーヤの肉詰めの特徴は、ゴーヤの品種が日本とは違うこと、水で戻した春雨 (ウンセン:วุ้นเส้น) が入ること、さらに作り手のレシピ次第ですが、ニンニク、パクチーの根、粒胡椒などをクロック(調理器具の石臼)で潰したペーストをひき肉に混ぜ込むことが挙げられます。下味は醤油やオイスターソース、砂糖など。ちなみに、ゴーヤはマラジーン (มะระจีน) なる中国原産の品種です。
スープは、鶏がらスープまたは豚がらスープとニンニク、パクチーの根などの野菜だし、醤油、砂糖、塩などで味を調整。多分、固形スープの素を使っていると想像しています。そのスープで肉詰めしたゴーヤを煮る流れ。パクチーの葉を入れるも良し。家庭で作るならシイタケや大根を入れるのも面白いでしょう。
この店のマラヤッサイムーサップはサイズが大きいので、嫁と縦半分ずつ。これだけで一食分のおかずになるのですよ。春雨が肉のうま味やスープを吸い、さらに食感の変化も。なかなか良い仕事をするのです。
以下の写真は、一般的なおかず屋台のトムジューマラヤッサイムーサップの鍋の様子。マラヤッサイムーサップの大きさは、前述のサイズの半分でしょう。
スープの味は、ゴーヤのほのかな苦味のあるあっさり系。ひき肉に味が付いているのでおかずとしても十分に成立するのです。ご飯の上に肉詰めゴーヤを乗せ、スープを大量にぶっかけて食べるのです。スープもぶっかけ飯にして食べるのがタイスタイル。以前はおでんのようにからしが欲しくなったりもしましたが、今回は冷蔵庫にあったナムプリックガピ (น้ำพริกกะปิ) を少々。しっかりタイ人化してますね。55555 ... おでんに何を付けますか?の話と同じです。お好きなナムプリック (น้ำพริก) でどうぞ。ナムプリックとは「唐辛子ベースのつけダレ/ディップ」のこと。
まだ、食べたことがない同胞諸君、一度挑戦してみてください。