ガピとは 塩漬けオキアミの発酵調味料

ガピのアイキャッチ タイの食材

ガピ (กะปิ) とは、塩漬けにしたオキアミを天日干し後に発酵させてペースト状にしたうま味調味料。ナムプリックやカレーペースト作りには欠かせない調味料の一つ。スープ系のゲーンソム (แกงส้ม) などもしかり。ちなみに、オキアミはタイ語でクーイ (เคย) やクンクーイ (กุ้งเคย) と言います。
オキアミが生息している沿岸部には、ガビの生産地がたくさんあります。取れるオキアミ(小エビ種を含む)の種類や製造方法の違いから、滑らかさ、粘り気、色、塩加減、香り/風味が異なるガピになります。タイ政府がすすめる一村一品運動 (OTOP) 指定のガピもあり生産地毎に特徴があるのです。例えば、色は淡いピンク色から紫がかった茶色まで様々です。なお、オキアミだけで作ったもの、魚を混ぜたもの、オキアミの形を残したものもありますよ。

茶色いガピの様子
茶色いガピの様子

ガピはスーパーマーケットや専門店、タラートにある干しエビや干しアミを扱っている店などで売っています。通販でも買えます。生産地やオキアミの違うガピ、さらには作り方の違うガピがたくさんあることが分かります。もちろん値段も違います。そのため、作る料理で使い分けたりもします。なお、高級品は総じて、滑らかで香りが良く塩味がマイルドです。熟成期間も関係しているのです。

スーパーマーケットに並ぶ大手ブランドのガピの様子左:クンタイ (กุ้งไทย) 右:ルアバ (เรือใบ)
スーパーマーケットに並ぶ大手ブランドのガピの様子
左:クンタイ (กุ้งไทย) 右:ルアバイ (เรือใบ)
ラヨーン産のガピ
ラヨーン産のガピ
サムットソンクラーム産のガピ(OTOP指定)
サムットソンクラーム産のガピ(OTOP指定)

以下の写真は、我が家にあるチュムポーン産のガピの様子。

我が家にあるチュムポーン産のガピの様子
我が家にあるチュムポーン産のガピの様子

以下の写真はタラートで見かけたガピの様子。右側上のピンク色のガピは、オキアミをすり潰していないタイプのガピクンワーン (กะปิกุ้งหวาน) ですね。少し甘味がありオキアミの食感が楽しめるスタイル。果物のディップのナンプラーワーンやソムタム、パッタイに入れたりして使います。

タラートで見かけたガピの様子
タラートで見かけたガピの様子
エビをすり潰していないガピクンワーンの様子
エビをすり潰していないガピクンワーンの様子

そうそう、調味料系の専門店ではガピを器に山盛りにしての量り売りの光景が見られますよ。日本の味噌の量り売りと同じですね。ちょっと敷居が高いけど、チャレンジしてみるのも面白いでしょう。
カレーペーストの老舗 Nittaya (นิตยา) 直営店のガビの様子を紹介してみます。
以下の写真にはガピマンクン (กะปิมันกุ้ง) と書いてあります。マンクン (มันกุ้ง) とは「エビ味噌」のことで、エビ味噌が入っているようです。

Nittaya で売っているガピマンクンの様子
Nittaya で売っているガピマンクンの様子

以下の写真にはガピラヨーン (กะปิระยอง) と書いてあるので、ラヨーン産。左下に写り込んでるのはガピマンクンなので、色の違いも分かりますね。

Nittaya で売っているラヨーン産のガピの様子
Nittaya で売っているラヨーン産のガピの様子

以下の写真は、テイクアウトしたガピラヨーンの様子。

テイクアウトしたガピラヨーンの様子
テイクアウトしたガピラヨーンの様子

とにかく、多くの生産地とブランドがあり、タイ人の推しブランドも多種多様。興味のある方は、いろいろなガピに挑戦してみてください。なお、使い切れない時にはゲーンソムなどのスープ系料理に利用すると良いでしょうね。

なお、このガピと唐辛子で作った代表的なつけダレが、ナムプリックガピ (น้ำพริกกะปิ) です。非常に人気のあるナムプリックです。

こぼれ話
以下の写真は、スーパーマーケットで買ったルアバイ (เรือใบ) ブランドのガピラヨーンです。

ルアバイブランドのガピラヨーン
ルアバイブランドのガピラヨーン

この商品を初めて買った時はに驚きました。何故かと言えば、一番上にロウ状の硬い層、二番目に小麦粉のようなもを固めた層、その下に紙、そして本体のガピの構造になっていたのです。必ず使い始める前に、本体のガピから上の部分は綺麗に取り除いてください。
以下の写真は、過去の作業時に取り除いた部分の様子です。参考まで ...

ルアバイブランドのガピラヨーンの取り除いた部分の様子
ルアバイブランドのガピラヨーンの取り除いた部分の様子