パパイヤはタイ語でマラコー (มะละกอ) と言います。青い果実は濃い緑色ですが、熟した果実は黄色からオレンジ色。マラコー (มะละกอ) の語源は、マレーシアのマラッカ (มะละกา) らしい。西暦1500年代のアユタヤ王朝時代、マラッカを占領したポルトガル人がタイにパパイヤを持ち込んだらしい。いつしか、パパイヤはマラッカ (มะละกา) が変化したマラコー (มะละกอ) と呼ばれることになったとのこと。ポルトガル人ではなくスペイン人との説もあるようです。いずれにしても、ポルトガルやスペインの船乗りたちが、中央アメリカのパパイヤをアフリカやアジアの地へと持ち込み、徐々に熱帯地域全体に広まったのですね。タイでは、青い果実は野菜の扱い、熟した果実は果物の扱いです。タイでは幾つかの品種が栽培されていますが、どの品種もその扱いは同じです。
人気の品種は ...
青いマラコーは、八百屋で売ってます。果実は細長く先が尖っているスタイルが多いですね。昔から人気のあるマラコーケークダム (มะละกอแขกดำ) 系、ケークダム種から突然変異したマラコーケークヌアン (มะละกอแขกนวล) と言う品種が人気。青いマラコーはソムタムに使われます。基本的にソムタムにして美味しいかどうか、シャキシャキの食感や酸味がポイントでしょう。新しくソムタム専用に開発されたマラコークラン (มะละกอครั่ง) と言う品種もあるとのこと。
熟したマラコーは、果物屋台で売っています。マラコーホーンレーン (มะละกอฮอลแลนด์) と言う品種が人気。円筒形のスタイルで細長くは見えません。スーパーマーケットなどでは英語表記で「Holland Papaya」と書いてあることも。ホーンレーン (ฮอลแลนด์) とは「Holland」のタイ語読み。2000年にオランダから持ち込まれた品種。熟した果肉は厚く赤みがあるオレンジ色、嫌いな方もいるパパイヤ特有の匂いがなく、滑らかな舌触りで上品な甘さのある品種。非常に人気があり、バンコクでは果物としてのマラコー市場で一人勝ちの状況だと思います。街中の果物屋台でマラコーホーンレーン以外のマラコーを見かけることは、ほとんどない状況でしょう。
以下の写真は、スーパーマーケットの果物売り場のマラコーホーンレーンの様子。まだ、青い状態で追熟が必要です。スーパーマーケットでは、果物は青い状態で販売する傾向があり価格が高いのですね。なお、追熟は常温で果皮の色が黄色くなるまで放置するだけ。冷蔵庫に入れると追熟が止まるのでご注意あれ!
以下の写真は、スーパーマーケットで買ったマラコーホーンレーン。頭と尻に薄っすらと緑色が残っている状態。長さにして20センチ程度。熟度の好みがあるとは思いますが、私的にはベストですね。
プライス情報は「HOLLAND PAPAYA」キロあたり45バーツ、1.264キロなので57バーツ也。
以下の写真は、スーパーマーケットで買ったマラコーホーンレーンを半分にカットした様子。このボリュームなら我が家の嫁は一人でペロリと平らげますね。55555 ...
黒い種をスプーンで取り除き、皮を剥いて食べやすい大きさにカット。
以下の写真のように波刃のピーラーで皮を剥いてからカットしたスタイルもよく見かけます。
ところで、以下の写真は路上屋台の野菜屋で見かけたマラコーの様子。多分、マラコーケークダム系と思います。完熟すれば甘い果物としてのマラコーになりますよ。
さてさて ...
果実の状態ならマラコーホーンレーンとそれ以外のマラコーは見た目のスタイルで区別ができますが、街中のカットフルーツ屋台では、店主に品種を尋ねる他にないでしょうね。マラコーホーンレーン以外の場合もあるのです。
そうそう、以下の写真はスーパーマーケットのカットフルーツ売り場の様子。マラコーホーンレーンの確率が高いですね。何故かと言えば、果物売り場に陳列してあった果物の熟度が進むとカットフルーツとして販売することがあるからです。
パパイヤ特有の匂いが嫌いな方、機会があるならマラコーホーンレーンに挑戦してみてください。パパイヤのイメージが変わるかもしれませんよ。