青いパパイヤは濃い緑色ですが、熟したパパイヤは黄色からオレンジ色。タイでは、熟したパパイヤは果物の扱い、青いパパイヤは野菜の扱いです。タイでは幾つかの品種が栽培されていますが、どの品種もその扱いは同じです。パパイヤはタイ語でマラコー (มะละกอ) と言います。
果物として食べる完熟パパイヤは、マラコーホーンレーン (มะละกอฮอลแลนด์) と言う品種が人気。タイでは細長く先が尖っているスタイルのパパイヤが多いのですが、マラコーホーンレーンは円筒形のスタイル。スーパーマーケットなどでは英語表記で「Holland Papaya」と書いてあることも。ホーンレーン (ฮอลแลนด์) とは「Holland」のタイ語読み。2000年にオランダから持ち込まれた品種。熟した果肉は厚く赤みがあるオレンジ色、嫌いな方もいるパパイヤ特有の匂いがなく、滑らかな舌触りで上品な甘さのある品種。非常に人気があり、バンコクでは果物としてのパパイヤ市場で一人勝ちの状況だと思います。街中の果物屋台やスーパーマーケットの果物売り場でマラコーホーンレーン以外のパパイヤを見かけることは、ほとんどない状況でしょう。
以下の写真は、スーパーマーケットの果物売り場のマラコーホーンレーンの様子。まだ、青い状態で追熟が必要です。スーパーマーケットでは、果物は青い状態で販売する傾向があります。なお、追熟は常温で果皮の色が黄色くなるまで放置するだけ。冷蔵庫に入れると追熟が止まるのでご注意あれ!
以下の写真は、スーパーマーケットで買ったマラコーホーンレーン。頭と尻に薄っすらと緑色が残っている状態。長さにして20センチ程度。熟度の好みがあるとは思いますが、私的にはベストですね。
プライス情報は「HOLLAND PAPAYA」キロあたり45バーツ、1.264キロなので57バーツ也。
以下の写真は、買ってきたマラコーホーンレーンを半分にカットした様子。このボリュームなら我が家の嫁は一人でペロリと平らげますね。55555 ...
黒い種をスプーンで取り除き、皮を剥いて食べやすい大きさにカット。
以下の写真のように波刃のピーラーで皮を剥いてからカットしたスタイルもよく見かけます。
ところで ...
果実の状態ならマラコーホーンレーンとそれ以外のパパイヤは見た目のスタイルで区別ができますが、街中のカットフルーツ屋台では、店主に品種を尋ねる他にないでしょうね。マラコーホーンレーン以外の場合もあるのです。
そうそう、以下の写真はスーパーマーケットのカットフルーツ売り場の様子。マラコーホーンレーンの確率が高いですね。何故かと言えば、果物売り場に陳列してあった果物の熟度が進むとカットフルーツとして販売することがあるからです。
パパイヤ特有の匂いが嫌いな方、機会があるならマラコーホーンレーンに挑戦してみてください。パパイヤのイメージが変わるかもしれませんよ。
青いパパイヤの話
青いパパイヤは、八百屋で売ってます。果実は細長く先が尖っているスタイルが多いですね。昔から人気のある品種はマラコーケークダム (มะละกอแขกดำ) 系、そのケークダム種から突然変異したマラコーケークヌアン (มะละกอแขกนวล) と言う品種も人気があります。基本的にソムタムにして美味しいかどうか、シャキシャキの食感や酸味がポイントでしょう。新しくソムタム専用に開発されたマラコークラン (มะละกอครั่ง) と言う品種もあるとのこと。
ところで、以下の写真は路上屋台の野菜屋で見かけたパパイヤの様子。多分、マラコーケークダム系と思います。完熟すれば甘い果物としてのパパイヤになりますよ。
こぼれ話
マラコー (มะละกอ) の語源は、マレーシアのマラッカ (มะละกา) らしい。西暦1500年代のアユタヤ王朝時代、マラッカを占領したポルトガル人がタイにパパイヤを持ち込んだとのこと。いつしか、パパイヤはマラッカ (มะละกา) が変化したマラコー (มะละกอ) と呼ばれることに。ポルトガル人ではなくスペイン人との説もあるようです。いずれにしても、ポルトガルやスペインの船乗りたちが、中央アメリカのパパイヤをアフリカやアジアの地へと持ち込み、徐々に熱帯地域全体に広まったのですね。