パンダン (Pandan) は、日本語で「ニオイタコノキ」、タイ語でトゥーイホーム (เตยหอม)、パンダンの葉はバイトゥーイ (ใบเตย) と言います。バイ (ใบ) とは「葉」のこと。このバイトゥーイは、昔から料理やデザートの風味付けや色付け、さらには食べ物を包んだりとタイの食文化おいて無くてはならない存在です。ご飯を炊いた時のような香りに甘い香りをプラスした香りと独特な風味があり「東南アジアのバニラ」とも言われているのですよ。新鮮なバイトゥーイを結ぶように丸めて食材(例えば、とうもろこし)を茹でる時、ココナッツミルクを温める時、ご飯を炊く時や鶏の唐揚げを作る時にも風味付けとして使われます。なお、虫除けや消臭芳香剤として使われることもあります。
さてさて ...
パンダンジュースとは、一般的には新鮮なバイトゥーイを鍋に入る程度の長さにカットして、沸騰したお湯で 10分程度煮た後の煮出し汁に、好みの量の砂糖を加えて甘味を付けた飲み物のこと。薄黄緑色のジュースで、タイ語でナムバイトゥーイ (น้ำใบเตย) と言います。利尿作用や整腸作用、血糖値を下げる効果があるようです。
以下の写真は、セブンイレブンで売っている小さく潰したナタデココ入りのナムバイトゥーイ。薄黄緑色と言うより緑色、一般的に市販品は緑色が多いようです。これは、煮出し汁にバイトゥーイの搾り汁(後述)を加えてたり、最初からバイトゥーイの搾り汁で作っているためでしょう。
ボトル詰めのジュース屋台やレストランのドリンクメニューにあることも ... バイトゥーイの風味が好きな方は、一度お試しください。
バイトゥーイの搾り汁とは ...
搾り汁は、細かく刻んだバイトゥーイと少量の水をジューサーを用いて液体状にし、濾し布で濾して作ります。非常に濃い緑色の液体で、タイ語でナムバイトゥーイ・ケムコン (น้ำใบเตยเข้มข้น) と言います。ケムコン (เข้มข้น) とは「非常に濃い」の意味。新鮮なバイトゥーイ 15~20枚に対して、水 200〜250ml 程度が目安。用途により水の量で濃さを調整します。このバイトゥーイの搾り汁が、いろいろなデザートの色付けと風味付けに使われるのです。なお、もち米に色付けする場合は、バイトゥーイの搾り汁に一晩浸してから蒸して仕上げます。
ところで、ジューサーが無い時代はどうしていたのでしょう。そう、クロック(調理器具の石臼)で潰していたのですよ。大変な労力だったことでしょうね。
バイトゥーイの搾り汁を使ったデザートを挙げればきりがありません。やはり、一番バイトゥーイの風味を感じ取れるはサンカヤーバイトゥーイ (สังขยาใบเตย) でしょう。