タイの果物 マプラーンとマヨンチットとは 小さな黄色いマムアン?

マプラーンとマヨンチットのアイキャッチ タイの果物

2月から3月にかけて街中の果物屋台には、長さにして5〜6cm 程度の卵形の黄色い果物が並びます。タイ語でマプラーン (มะปราง)、英語で Marian Plum/Plum Mango(マリアンプラム/プラムマンゴー)と言います。マプラーンは、ウルシ科のマムアン (มะม่วง) の親戚筋の果物です。マムアンとは「マンゴー」のこと。

以下の写真は、果物屋台のマプラーンの様子。

果物屋台のマプラーン
果物屋台のマプラーン

プレートには、英語で MARIAM PLUM SWEET、タイ語でマプラーンワーン (มะปรางหวาน) と書いてあります。ワーン (หวาน) とは「甘い」の意味。実はマプラーンには幾つかの品種があり、酸っぱい品種もあるので「甘い」と書いてあるかな? なお、我が家の嫁の話によると、子供時代のマプラーンには酸味があったと言っているので、今のマプラーンは品種改良されて甘くなった品種が多いのでしょう。なお、マプラーンはスコータイ時代から栽培されていたらしい?

さてさて ...
タラート(ローカルマーケット)を見ると、マプラーンの他にマヨンチットなる品種もあります。マヨンチットの正式な名称はマプラーン・ラムヨンチット (มะปรางลำยงชิด) で、短縮されてマヨンチット (มะยงชิด) と呼ばれるようになったとか? マヨンチットには、甘さの中に程良い酸味があるのです。

果物屋台のマヨンチット
果物屋台のマヨンチット

今回、マプラーンとマヨンチットの両方を売っている果物屋台を見つけたのでその違いを紹介してみます。しかし、値段が高い果物ですね。2月から3月の期間限定の果物だからなのだろうか?
以下の写真はマプラーンの様子。熟す前の果実は淡い緑色、熟すと淡黄色。

マプラーンの様子
マプラーンの様子

以下の写真はマヨンチットの様子。熟す前の果実は濃い緑色、熟すと黄色がかったオレンジ色。

マヨンチットの様子
マヨンチットの様子

以下の写真はマプラーンとマヨンチットを並べた様子。向かって左側がマプラーン、右側がマヨンチット。マヨンチットの方がオレンジ色が濃く、果実は細長いですね。

(左)マプラーンと(右)マヨンチット
(左)マプラーンと(右)マヨンチット

以下の写真は種を含めてそれぞれの果実を半分にカットした様子。断面の形の違いからもマヨンチットの方が果実が細長いことが確認できます。なお、果肉の色は同じ。

半分にカットした様子(左)マプラーンと(右)マヨンチット
半分にカットした様子(左)マプラーンと(右)マヨンチット

どちらも、マムアンと似たような質感の皮があるので皮を剥いて食べるのですが、気にならないなら皮のまま食べることもできます。
以下の写真は皮を剥いた様子。見た目からしてマムアンでしょう。そのまま齧り付くもあり、マムアンと同じ要領で種を外すのもあり。

皮を剥いた様子(左)マプラーンと(右)マヨンチット
皮を剥いた様子(左)マプラーンと(右)マヨンチット

食べ比べですが ...
マプラーンはもっちり感があり甘味が強く酸味が穏やかですが、個体によっては酸味が強いものもあります。熟度が関係あるのかも? もっちり感のある品種のマムアンに非常に似た食感と風味です。
マヨンチットは、マプラーンと比べるともっちり感が弱く、甘味の中にしっかりとした酸味が感じ取れます。
ところで、熟したマムアンにも、甘味の強い品種、甘味の中に酸味のある品種、もっちり感が強い品種と特徴の違うたくさんの品種があるのですが、何れにしても、熟したマムアンの食感や風味の幅の中におさまるような気がします。多分、判別できないほどに小さくカットされていたらマムアンと勘違いすると思いますよ。とのことで、小さなマムアンとも言えそうです。ただし、最近の熟したマムアンは、マムアンナムドクマイのように非常に甘い品種が幅を効かせているので、アンチの方にはマヨンチットが好まれるかもしれませんね。

一般的にマプラーンよりマヨンチットの方が値段が高いようです。値段が高い部類の果物だとは思いますが、興味のある方、挑戦してみてください。

ところで、タイ人は果物に対し、甘さの中の酸味やそのバランスにこだわりを持つ方も結構いるのです。甘味が強い果物が好まれるのではないのですよ。マヨンチットしかり、マムアンしかり ... こだわりを持つ割には、プリックグルアナンプラーワーンなどのディップをたっぶり付けて食べるのですよ? 55555 ...

こぼれ話
この日は、嫁がマムアンナンプラーワーンを食べたいと言ってマムアンカミンも買っているのですが、マムアンカミンの価格はマプラーンの約半値ですよ。なお、マムアンナンプラーワーンは非常に美味し食べ方だと思いますので、お試しあれ!

マムアンカミンのマムアンナンプラーワーン
マムアンカミンのマムアンナンプラーワーン
(下)マプラーンと(上)マムアンカミン
(下)マプラーンと(上)マムアンカミン

カオニャオマムアンに使われるマムアンナムドクマイの価格もマプラーンの約半値ですよ。マプラーンやマヨンチットの値段の高さを置いといても、皮を剥く手間や果物としての美味しさを考えるとマムアンに軍配があがると思うのは私だけだろうか??

後日談
以下の写真は、嫁の実家にあったマプラーン。知人の敷地内で実ったマプラーンのお裾分けらしい。非常に甘いマプラーンで驚きました。皮付きのままパクリパクリ。

マプラーン
実家にあったマプラーン

マムアンカミンやマムアンナムドクマイに興味のある方は、以下を参照願います。