サイクローク (ไส้กรอก) は「ソーセージ」、イサーン (อีสาน) は「イサーン地方」の意味。サイクロークイサーン (ไส้กรอกอีสาน) とは、豚ひき肉に炊いたご飯やもち米を入れて作る「イサーン地方の発酵ソーセージ」です。なお、辛くないソーセージです。
基本的な作り方は、豚ひき肉、炊いたご飯、そしてクロック(調理器具の石臼)で潰したニンニクやパクチーの根、コショウと良く捏ねて、塩、砂糖、オイスターソースなどの調味料で味付けした肉だねを腸詰め後、1日〜2日間発酵させます。一般的には、串打ちして炭火で焼いて完成。なお、具材に春雨を入れたタイプも人気があります。春雨はタイ語でウンセン (วุ้นเส้น) なので、サイクロークウンセン (ไส้กรอกวุ้นเส้น) と呼び区別することもあります。
サイクロークイサーンの長さは、腸詰め後の糸縛りの間隔で決まります。その長さにより1連串打ちスタイルや2連串打ちスタイル、さらに丸い球状スタイルなど売り方に違いがでます。もちろん、売値とも関係します。
以下の写真は、フードフェスでよく見かける数珠つなぎのスタイル。1個づつ切り離して山積みにした状態で売っていることもあります。
以下の写真は、数珠つなぎの状態のまま焼いているサイクロークイサーンの様子。
最近はあまり見かけませんが、数珠つなぎの状態のサイクロークイサーンをぶらぶらさせながらのひき売り屋台もあります。
なお、詰める具材の割合と発酵期間で風味や酸味が違ってきます。発酵期間により酸味がキツイものがあります。そのため、酸味の程度や具材の違いで種類分けして売っている屋台もあります。我が家の嫁は、酸味がキツイ春雨タイプが好きらしい。私はほんのり酸味のご飯タイプが好き。好みの分かれるところです。
以下の写真は焼く前のサイクロークイサーンの様子。焼くと同じような色になりますが、焼く前だと色の違いが良く分かります。色が白っぽいのが春雨タイプのサイクロークウンセン。
ところで、酸味や塩味がキツイと感じてもトッピングのキャベツと一緒に食べることで美味しいハーモニーを奏でる場合もあります。一般的なトッピングは、キャベツのざく切り、生姜のスライス、生唐辛子。サイクロークイサーンとこれらのトッピングの相性はバツグンですね。
イサーン料理店でも食べれますが、何と言ってもサイクロークイサーンの醍醐味は焼けた肉汁の香りが漂う屋台でしょう。一度でも美味しいサイクロークイサーンを食べたことがあるなら、その香りの誘惑に勝つのは至難の業。ほんのりとした酸味、香ばしい香り、そしてパリッパリッとした焼けた皮の食感、「あっちちー」と言いながら口に頰張るのが最高なのです。
サイクロークイサーン屋台は、街中にたくさんあります。貴方も美味しいサイクロークイサーンに出会えると良いですね。
こぼれ話
以下の写真は、見分けがつき難いですが油で揚げたサイクロークイサーンです。サイクロークイサーントート (ไส้กรอกอีสานทอด) と言います。トート (ทอด) は「油で揚げる」意味。サイクロークイサーントートも美味しいですよ。