イサーン地方の代表的なソムタムにナムパラー (น้ำปลาร้า) を使ったソムタムパラー (ส้มตำปลาร้า) がある。タムスア (ตำซั่ว) とは、ソムタムパラーに米粉の麺のカノムジーン (ขนมจีน) を入れたソムタムのことである。
ソムタムの汁でカオニャオを食べる以外にもカノムジーンを食べたいと思う方が一定数いるのだが、一般的には別々に用意したソムタムとカノムジーンを自分の取皿の上またはソムタムの料理皿の中に直接入れて混ぜ合わせることになる。
だったら、最初からクロックの中で混ぜ合わせて調理すれば合理的。そんな発想から生まれた料理がイサーン地方のタムスアなのかもしれない。
以下の写真は、タムスアの中のカノムジーンの様子。なお、カニ入りのソムタムプーパラーがベースなので、正確に表現すれば、タムスア・プーパラー (ตำซั่วปูปลาร้า) だろう。プー (ปู) とは「カニ」のことだが、嫌いな方はプーを外すこともありだろう。
ナムパラーとソムタムプーパラーについては、以下を参照願う。
ところで、イサーンスタイルのソムタムには、マゴークパー (มะกอกป่า) と言うマンゴーの親戚筋にあたる果物が入ることがある。
以下の写真は、とある店のタムスアの中のマゴークパーの種子と皮の様子。成熟したマゴークパーが丸々一個入っているのだ。なお、マゴークパーの果肉は甘酸っぱい独特な風味があり食べ慣れていないと難しいかもしれない。
このタムスア、特にマゴークパーを使ったタムスアは、バンコクではイサーン色の強いレストランや屋台にならあるかもしれない。まだ、ソムタムの汁でカノムジーンを食べたことがない方、まずは自分の好きなソムタムとカノムジーンを混ぜて、自分なりのタムスアに挑戦してみるのも面白いだろう。
マゴークパーについて
英名は「Hog plum」。マンゴーの親戚筋で東南アジアが原産のフルーツとのこと。果実の形は楕円形で長さは3〜5センチで茶色の斑点あり。大きな種子があり果肉部分は少ない。若い果実は緑色で強い酸味と渋みがあるが、成熟すると緑がかった黄色から黄色になり味も甘酸っぱく変化。
果実はフルーツとして生食可能。熟した果実はソムタム、各種の唐辛子ペースト、ヤム(タイ風サラダ)など酸味が必要な料理に使われる。酸味とほんのりとした渋みがありマナーオやマカーム・プリアオの代わりにも使われるのだ。
以下は、タイ公共放送 (Thai PBS) のマゴークパーの動画。興味のある方、参考まで。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=zWixpYh3uBk&t=192s