ホイチョー (ฮ่อยจ๊อ/หอยจ้อ) とは、潮州の蟹棗が源流の料理。この蟹棗の潮州の発音が [蟹:hoi6][棗:zo2] なのでタイ語でもホイチョー。なお、ホイチョープー (ฮ้อยจ๊อปู) やチョープー (จ๊อปู) と呼ぶこともあります。プー (ปู) とは「蟹」のこと。蟹肉を使い、かつ湯葉の皮で包んだ大きな揚げシュウマイのようなイメージの料理です。
ホイチョーの作り方を説明すると ...
蟹肉をメインに豚ひき肉、細かく刻んだへーオやトンホーム、クロック(調理器具の石臼)で潰したニンニクやパクチーの根のペーストなどを卵とタピオカ粉を加えて練り込んだ生地を作るのです。味付けは、粉コショウ、醤油、オイスターソース、砂糖など。その生地をシート状の湯葉 (フォーンタオフー:ฟองเต้าหู้) で棒状のソーセージを作るイメージで包み、型崩れ防止のために数箇所をタコ糸で縛ってから蒸し上げるのです。蒸し上がれば、生地は1本のソーセージのように固まります。縛った所でタコ糸と一緒にカット。カットされた形を棗(ナツメ)に見立てたのでしょうね。故に、蟹棗と命名されたのでしょう。
得られる個数は、湯葉幅と作り手が何箇所縛るかで決まります。既に火が通っていますが油で揚げて完成。例えば、屋台売りで見られる長い串揚げは、1本分の棗を串に刺してから油で揚げているのです。1本分のホイチョーで一人前です。
皆さんの想像通り、中に入れる蟹肉の量、長さや太さで価格が相当違うのですよ。高級品ならシート状の湯葉で生地を包む時に別に用意した蟹の爪肉もたっぷり入れるので太くもなるでしょう。1個の棗で20〜30バーツ以上の価格、例えば、棗5個で1本 180バーツ前後のホイチョーもあるのです。
以下の写真は、とある専門店の様子。蟹肉の量と部位違いで3段階のメニューがありますね。
さて、ホイチョー屋台のホイチョーは ...
以下の写真は、ホイチョー屋台からテイクアウトした1本 50バーツで7個の棗。串から外して袋に入れてもらえます。バンコクの屋台なら1本 50〜80バーツ程度でしょう。
以下の写真がテイクアウトしたホイチョーの中身の様子。蟹肉が見えないし、香りすら感じない。 ん〜「蟹肉はどこ?」のなんちゃってホイチョー。このようなホイチョーをチョームー (จ๊อหมู) と言います。もし、鶏ひき肉ならチョーガイ (จ๊อไก่) です。ムー (หมู) は「豚肉」、ガイ (ไก่) は「鶏肉」のこと。屋台のホイチョーは、チョームーと考えるべきなのです。しか〜し、これはこれで美味しいのですよ。コスパは悪くないですよ。55555 ...
つけダレが付いてきます。ナムチムブアイ (น้ำจิ้มบ๊วย) と言います。ブアイ (บ๊วย) は「梅」のこと。スイートチリソースの唐辛子を梅干しに代えた甘酸っぱいソースです。梅干しを砂糖水で煮て作ったディップソースです。
ホイチョー屋台は、屋台村やフードフェスに出店していることが多いですね。また、揚げ物系屋台の1つのアイテムの場合もあります。そうそう、蟹の代わりに海老を使ったスタイルもあります。チョークン (จ๊อกุ้ง) と言います。クン (กุ้ง) とは「海老」のこと。
ホイチョー屋台のホイチョーは、蟹肉が見当たらないチョームーですが、柔らかい食感の豚ひき肉の揚げシュウマイのようで、それなりに美味しいですよ。一度、挑戦してみてください。
こぼれ話
本格的なホイチョーは、中華系レストランや専門店でどうぞ。
以下の YouTube 動画は、ホイチョー有名店のホイチョー作りの風景。参考まで ...
YouTube (DenverThaiTV) :https://www.youtube.com/watch?v=CsUw07GeRPs