カノムカイノッククラター (ขนมไข่นกกระทา) のカノム (ขนม) は「お菓子」、カイ (ไข่) は「卵」、ノック (นก) は「鳥」、クラター (กระทา) は「うずら」の意味。だから、カノムカイノッククラターは「うずらの卵のお菓子」の意味になるのですよ。材料にうずらの卵が使われているわけではありません。丸くて小さな形を「うずらの卵」に喩えたネーミングなのでしょう。なお、カノムカイタオ (ขนมไข่เต่า) とも言います。カイタオ とは「亀の卵」の意味です。
作り手/作り方で違いがあります。表面はサク無し系 〜 サクサク系 〜 超サクサク系、中はふんわり柔らか系 〜 モチモチ系と幅があるのです。基本的な作り方は、蒸してつぶしたサツマイモとタピオカ粉や米粉などの澱粉、ココナッツミルク、砂糖、塩、ベーキングパウダーを練って丸めた生地を油で揚げて完成です。
最近は、いろいろな色のカノムカイノッククラターを目にします。紫色、オレンジ色、黄色などの色違いのサツマイモを使っているのです。緑色のカノムカイノッククラターは、色の薄い黄色のサツマイモまたはタロイモに抹茶を入れて作るらしいです。皆さん、工夫を凝らしているのですね。
以下の写真は、近所の屋台で見つけたカノムカイノッククラター。揚げ色が濃いので心配したのですが、これが絶品。表面は超サクサク系、中はふんわり柔らか系のカノムカイノッククラターです。揚げ色が濃いので見分けが付かないのですが、黄色のサツマイモと紫色のサツマイモの2種類。
私も大好きなお菓子で、屋台を見つけるとついつい誘われてしまいます。値段も安いし ... カノムカイノッククラターの屋台は、街中にたくさんありますね。人気の屋台には行列ができたりもします。安いし美味しいお菓子です。いろいろな屋台のカノムカイノッククラターを食べ比べてみてください。
ところで、タイには揚げ物の衣をサクサクに仕上げる魔法の水があるのです。たぶん、表面がサクサクのカイノッククラターには魔法の水のナムプーンサイを使っているのではと想像しています。
こぼれ話
かつては、カノムカイタオ(亀の卵のお菓子)と呼ばれていたのですが、ウミガメの卵を保護する活動が始まったのでカノムカイノッククラターに名前を変更したらしい。そして、カノムカイタオを考案した人物が、タイデザートの女王と呼ばれている日系人のターオ・トーンキープマー (ท้าวทองกีบม้า) と言われています。
そうそう、カノムカイノッククラターに似ているお菓子があります。白鳥の卵と言う名のカノムカイホン (ขนมไข่หงส์) なるお菓子。このお菓子もかつては、違う名前で呼ばれていたのです。